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2023年12月15日

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新しい旅館業法 2023(令和5)年12月13日施行 宿泊施設の新たな対応(厚労省)

2023年12月13日から旅館業法改正!

2023年12月13日より、旅館業法が新たに改正され、宿泊施設の運営に変化が生じました。

これまでの旅館業法では、宿泊施設の運営者は公共衛生や利便性の向上のため、特定の例外を除き宿泊希望者を拒否できませんでした。

しかし、新型コロナウイルスの流行により、宿泊者の感染防止対策への協力を確保するのが難しくなったり、問題を引き起こす宿泊客に対して対応することが運営者に過度な負担を与えている現状が明らかになりました。

これらの課題に対応するため、旅館業法の一部を改正する法律が成立し、2023年12月13日から施行されています。

この改正により、宿泊施設はより安全で快適な環境を提供し、新たな時代のニーズに適応することが求められています。

下記は厚生労働省が発表している改正旅館業法の背景・概要と研修用ツール動画です。

改正旅館業法の背景・概要

この動画では、2023年12月13日に施行される改正旅館業法について詳しく解説しています。改正の背景には、新型コロナウイルス感染症流行時の宿泊業界の課題があります。特に、宿泊業の営業者が感染防止対策に関して宿泊者からの協力を得られない場合や、いわゆる迷惑客への対応に制限があることが問題とされていました。

改正法の主なポイントは次の通りです。まず、宿泊拒否の自由が追加されました。これは、カスタマーハラスメントに当たる特定の要求をした宿泊客を拒否できるようにするものです。次に、感染症対策の強化が図られ、特定感染症が国内で発生している期間中は、営業者が宿泊者に協力を求めることが可能になります。また、宿泊者名簿の記載事項に変更があり、連絡先の追加と職業の削除が行われました。

さらに、差別防止の徹底が求められており、営業者には従業員への研修機会の提供が努力義務として設けられました。これにより、感染症拡大防止対策の適切な実施や特に配慮が必要な宿泊者へのサービス提供が可能になります。

最後に、事業譲渡に関する規定も導入されました。事業を譲り受ける者は、継続的な営業を行うことで、新たな許可取得なしに営業者の地位を継承できるようになります。この改正法についての詳細は、動画内で指定されたウェブサイトで確認することができます。

この動画では、改正旅館業法の背景や概要についてわかりやすく説明されており、宿泊業界の関係者や一般の視聴者にとっても有益な情報源となっています。

研修ツール(動画)~宿泊拒否事由の追加 カスタマーハラスメントへの対応~

この動画では、宿泊業界におけるカスタマーハラスメントへの対応として宿泊拒否事由の追加に関する改正内容が詳しく解説されています。改正により、旅館業の営業者は特定の要求を行う迷惑客の宿泊を拒否できるようになりました。この新しい規定には、宿泊施設に過重な負担をもたらし、サービス提供を阻害する恐れのある要求を繰り返す客への対処が含まれています。

具体的には、営業者は個々の事案を考慮し、客観的に判断することが求められます。カスタマーハラスメントに該当する特定の要求には応じられない場合、まずは宿泊は受け入れつつ、その要求には応じられないことを説明します。要求が繰り返される場合には宿泊を拒むことが可能です。

特定要求行為の例としては、不当な割引要求、契約外の送迎など過剰なサービス要求、長時間にわたる不当な要求、実現のための不相当な手段を求める行為などが挙げられます。一方、特定要求行為に該当しない例としては、障害のある方の障壁除去の要求、差別に対する謝罪の要求、営業者の過失による損害の対応要求などがあります。

この動画は、宿泊業界における新しい法規制についての理解を深め、宿泊業の営業者が適切に対応できるよう支援する内容となっており、宿泊業界関係者にとって有用な情報源です。

研修ツール(動画)~感染防止対策の充実~

この動画では、改正旅館業法に基づく感染防止対策の充実について詳しく説明されています。改正法では、特定感染症が国内で発生している期間に限り、宿泊業者は宿泊客に感染防止対策への協力を求めることが可能になりました。宿泊客も、正当な理由がない限り、これに応じることが義務付けられています。

具体的には、協力の求めには、特定感染症の発生時に、厚生労働省が速やかに情報を提供する仕組みが設けられています。営業者は、客室での待機、健康状態の確認、その他の感染防止対策(例えば咳エチケット、手洗い、食事時や入浴時の大声を控えることなど)を求めることができます。また、障害者に対しては、その特性に応じた配慮が求められます。

さらに、特定感染症の患者や特定接触者に対する対応も規定されています。営業者は、これらの人々に対して協力を求める権限があるものの、強制的なやり方や威圧的な態度は避けるべきです。また、宿泊拒否自由の要件には、伝染性の疾患にかかっていると明確に認められる場合が含まれていますが、特定感染症の患者であっても、緊急性が高い場合には宿泊を受け入れるべきです。

最後に、宿泊者名簿に関する変更が示されており、連絡先の記載が追加され、職業の記載が削除されました。この動画は、宿泊業界の関係者にとって重要な情報源となり、改正法に対する理解と適切な対応の指針を提供しています。

研修ツール(動画)~宿泊拒否に関するその他の留意事項~

この動画は、改正旅館業法における宿泊拒否に関するさまざまな注意点について解説しています。法の改正では、宿泊施設の運営者が特定の条件下で宿泊を拒否することが認められています。ただし、この権利の行使には細心の注意が必要です。

まず、法第5条第2項によれば、宿泊を拒否する場合でも、客の状況に十分な配慮が必要であることが強調されています。その上で、特定の感染症患者やカスタマーハラスメント(迷惑客)を理由に宿泊を拒否した際は、その理由や日時、拒否された客、対応にかかる責任者の情報などを文書や電子記録で3年間保存することが求められています。

また、動画では、旅館業法第5条第1項における他の宿泊拒否の自由についても触れられています。これには違法行為の恐れがある場合や宿泊施設に余裕がない時などが含まれます。

例えば、従業員や他の宿泊客に暴力を振るう場合や客室内の備品を破壊する場合など、暴行罪や器物損害罪に該当する行為は、警察への協力依頼が適切であるとされています。さらに、条例によって定められている宿泊拒否の自由についても言及され、障害者の特性を考慮し、同伴者からの情報をもとに判断するよう助言されています。

最後に、旅館業法第5条第1項各号に規定されていない宿泊拒否の自由を宿泊規約に設けても、それは無効であることが指摘されています。この動画は、宿泊業界の関係者にとって、法的要件と適切な対応を理解するのに役立つ内容となっています。

研修ツール(動画)~旅館業法と障がい者差別解消法との関係等~

この動画は、改正された旅館業法と障がい者差別解消法の関係について説明しています。動画では、旅館業法第5条により、宿泊施設運営者は障害を理由に宿泊を拒否することができないことを明示しています。また、感染防止対策への協力要請や宿泊拒否の判断において、障害の特性に配慮することが必要であるとされています。

宿泊予約の際、宿泊施設側が障害について事前に申告を求めることは不当な差別に当たらないと説明されています。しかし、障害の有無を申告しなかったことだけを理由に宿泊を拒否することは、法に違反するとともに差別的取り扱いになります。

動画では、宿泊施設がホームページ上で、障害の特性に応じてどのような合理的配慮が提供できるかを明らかにし、宿泊予約ページで必要な配慮を記載することを勧めています。また、漠然とした安全上の問題を理由に宿泊を拒否することは、障がい者差別解消法上の不当な差別的取り扱いに当たる可能性があることに注意を促しています。

感染防止対策のための個人情報取得においては、プライバシーの侵害にならないよう、個人情報保護法を遵守する必要があります。不適切な宿泊拒否や感染防止対策への不適切な協力要請があった場合、都道府県は営業許可の取り消しや営業停止を行うことがあり、違反した場合は罰則の対象となることも説明されています。

最後に、改正は宿泊客と従業員が快適に過ごせる環境を目指すものであり、宿泊施設はこれを機にさらに良い環境を提供することが求められています。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ