労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 新規求人倍率2.62倍に急上昇、令和6年8月の福岡雇用情勢

2024年10月8日

労務・人事ニュース

新規求人倍率2.62倍に急上昇、令和6年8月の福岡雇用情勢

雇用情勢(令和6年8月分)について(福岡労働局)

福岡労働局が発表した最新の雇用情勢によると、令和6年8月の雇用状況は改善が見られるものの、求人の動きにやや弱さが見られるとの報告がありました。特に、新規求人倍率や有効求人倍率が引き続き上昇傾向にあり、労働市場における需要が高まっていることが示されていますが、全体的な雇用動向を注視する必要があるとしています。

まず、令和6年8月の有効求人倍率は1.18倍となり、前月を0.05ポイント上回りました。この数字は労働市場における求人の増加を示しており、特に新規求人倍率が2.62倍と大きく伸びている点が注目されます。新規求人数は8.5%増加し、前月比で対前年同月比でも2.1%の増加が見られました。これにより、企業が新たな人材を求める動きが強化されていることが分かります。一方で、新規求職者数は10.3%減少し、前年同月比でも14.2%の減少となっており、求職者の減少が顕著に表れています。このことから、求人は増加しているものの、求職者数が減少しているため、企業側が人材確保に苦労している状況がうかがえます。

産業別に見ると、学術研究や専門・技術サービス業は12か月連続で増加し、生活関連サービス業や娯楽業、金融業、保険業、卸売業、小売業も増加が見られました。特に学術研究や技術サービス業の増加が際立っており、技術系の人材需要が高まっていることが分かります。一方で、製造業は10か月連続で減少しており、サービス業や建設業、情報通信業なども減少傾向にあります。これは、コロナ禍後の景気回復が製造業にまで完全に波及していないことを示唆しています。

地域別の雇用状況を見ると、福岡地域の有効求人倍率は1.18倍で、前月比0.01ポイントの上昇となりました。筑豊地域は1.25倍で前年同月と同じ水準を維持しており、筑後地域は1.28倍で0.04ポイントの上昇を見せていますが、北九州地域では1.03倍と、前年同月比で0.11ポイント低下しています。北九州地域の求人動向はやや厳しい状況にあり、他の地域との差が広がりつつあることが示されています。

また、企業規模別では、4人以下の規模や100~299人、1,000人以上の大企業では新規求人が増加しており、小規模企業でも求人が増えている点が特徴です。一方、30~99人規模や300~499人規模の企業では求人が減少しており、中規模企業において人材確保が難航していることが示されています。中小企業が大企業との競争で優秀な人材を確保するための対策が求められます。

一方で、正社員の有効求人倍率は0.93倍となり、前年同月を0.02ポイント上回りました。正社員の求人が増加していることは、企業が安定した雇用を提供し、長期的な人材確保に力を入れていることを示しています。しかしながら、正社員の有効求人倍率は依然として1倍を下回っており、企業が必要とする正社員数に対して求職者数が不足していることが課題となっています。特に、専門職や技術職においては、需要に対する供給のギャップが大きくなっていることがうかがえます。

このような雇用動向は、地域経済や企業の競争力に直接的な影響を与えるため、今後も雇用情勢の動向を注視していくことが重要です。企業にとっては、特に人材確保が困難な業界や地域において、魅力的な雇用条件を提示することで優秀な人材を確保するための取り組みが求められています。労働市場における求人倍率の上昇は、企業が人材確保に苦労している現状を反映しており、これに対応するためには、採用戦略の見直しや柔軟な雇用形態の導入が必要となるでしょう。

今後の雇用動向については、引き続き、求人倍率や求職者数の変動を観察し、地域や業種ごとの課題を分析していくことが重要です。企業は、こうしたデータを基に、自社の人材戦略を効果的に展開し、競争力を強化するための施策を講じることが求められます。

⇒ 詳しくは福岡労働局のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ