2024年11月6日
労務・人事ニュース
新規高卒・大卒者の3年以内離職率、過去最高に!高卒38.4%・大卒34.9%に上昇
新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します(厚労省)
厚生労働省は、令和3年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況を公表しました。この調査は、卒業後3年以内に離職した者の割合を示しており、新規高卒就職者の離職率は38.4%、新規大学卒就職者の離職率は34.9%となっています。いずれも前年に比べ上昇しており、高卒は1.4ポイント、大卒は2.6ポイントの増加が見られます。特に、離職率の高さが続く業界や、事業所規模別のデータも合わせて発表され、雇用の安定性が課題となっていることが浮き彫りになりました。
具体的には、高校卒業者の3年以内の離職率は中小企業で特に高く、従業員が5人未満の事業所では62.5%、5~29人規模の事業所では54.4%に達しています。これに対し、従業員が1,000人以上の大規模な企業では27.3%と離職率が低い傾向にあります。同様に、大学卒業者についても、規模の小さい事業所ほど離職率が高く、5人未満の事業所で59.1%、1,000人以上の事業所では28.2%と明確な差が見られました。
産業別に見ると、離職率が高い業界として「宿泊業、飲食サービス業」が高卒で65.1%、大卒で56.6%と最も高い数値を示しています。次いで、「生活関連サービス業、娯楽業」や「教育、学習支援業」が続いており、これらの業界では従業員の早期離職が顕著です。特に大卒者における「生活関連サービス業、娯楽業」では、前年比で5.7ポイントも離職率が上昇しており、業界全体の労働環境改善が求められます。
また、医療・福祉や小売業でも高卒、大卒を問わず離職率が高く、これらの業界での離職者支援や労働条件の見直しが必要とされる状況です。
こうした結果を受けて、厚生労働省は新卒応援ハローワークなどの支援策を通じて、職場における定着支援を強化し、離職率の低減に向けた施策を引き続き推進する方針を示しています。新規学卒者が安心して働き続けられる環境の整備が急務であり、個別の事業所や業界全体での取り組みが期待されます。詳細なデータや、事業所規模別・産業別の離職状況は、厚生労働省のウェブサイトで確認することができます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ