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2024年2月4日

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日本の介護サービス利用状況 令和5年10月の最新動向

介護給付費等実態統計月報(令和5年10月審査分)(厚労省)

日本全国での介護サービスの利用状況に関する最新データが公表されました。この報告は、令和5年10月の審査結果を基にしており、介護予防サービスと介護サービスの受給者数、費用、および受給者一人当たりの費用についての詳細を提供しています。

まず、介護予防サービスの受給者は約90.1万人に上り、前年同月比で4.1%の増加を示しました。一方、介護サービスの受給者数は約471.6万人で、こちらも前年同月比で1.3%増加しています。これらの数字は、それぞれのサービスを複数受けた人々も考慮に入れたものです。

詳細に分けて見ると、介護予防サービスでは「要支援1」のカテゴリーが約35.9万人、「要支援2」が約53.9万人で、それぞれ前年同月比で4.2%、4.0%の増加を見せています。介護サービスでは、「要介護1」から「要介護5」までの各カテゴリーで、受給者数が均等に増加しており、特に「要介護1」は約125.4万人、「要介護2」は約112.1万人となっています。

費用に関しては、介護予防サービスの総額が約248億5000万円で前年同月比5.5%増、介護サービスでは約9321億円で3.3%の増加を記録しました。受給者一人当たりでは、介護予防サービスが平均約2万7600円(前年同月比1.3%増)、介護サービスが約19万7600円(1.9%増)となっています。

これらのデータは、介護が必要な人々の増加と、それに伴うサービスの利用拡大を示しています。また、受給者一人当たりの費用の増加は、介護サービスの質の向上や、より手厚いサポートが提供されていることを反映している可能性があります。これらの情報は、今後の介護政策やサービス提供の改善に向けての重要な指標となります。

介護サービス需要の増加が医療・介護労働市場に与える影響

令和5年10月の介護サービス利用状況に関するデータから読み取れる、医療および介護の労働市場への影響は複数あります。これらの影響は労働需要の増加、人材確保の課題、労働条件の改善、職場環境の質の向上、および職業教育と研修の需要増加に分けられます。

労働需要の増加
介護予防サービスと介護サービスの受給者数が増加していることから、医療および介護分野における労働力の需要が高まっています。高齢化が進むにつれて、この需要はさらに拡大すると予想されます。これにより、介護士や看護師などの医療・介護職の求人が増加し、雇用機会が拡大する可能性があります。

人材確保の課題
労働市場における人材の需要増加は、同時に人材確保の課題も引き起こします。特に質の高い介護サービスを提供するためには、専門知識を持った人材が不可欠です。しかし、現在のところ介護職の離職率が高く、職場環境の改善や待遇の向上などが求められています。

労働条件の改善
受給者数の増加およびサービスの質の向上に伴い、介護職員や医療従事者の労働条件の改善が重要な課題となります。これには給与の増加、労働時間の見直し、ワークライフバランスの促進などが含まれます。

職場環境の質の向上
労働市場における競争が激化する中、医療・介護機関は優秀な人材を引き付け、維持するために、職場環境の質を向上させることが求められます。これには、職場でのコミュニケーションの改善、チームワークの促進、職場の安全性の確保などが含まれます。

職業教育と研修の需要増加
医療・介護分野でのサービスの質を維持・向上させるためには、職業教育と継続的な研修が不可欠です。これにより、介護職員や医療従事者のスキルアップが促進され、より高品質なケアの提供が可能になります。教育機関や専門研修機関におけるプログラムの充実が求められるでしょう。

介護および医療分野の労働市場においては、これらの影響を踏まえた対策が急務です。人材の確保と育成、労働条件の改善、職場環境の質の向上は、今後の日本の介護・医療サービスの持続可能性を保つ上で重要な要素となります。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ