2024年11月29日
労務・人事ニュース
日本の家族構成が18年で大きく変化!「夫婦のみの世帯」が48%に急増
第19回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況 世帯の状況(厚労省)
過去18年間の世帯構成の変化に関する調査結果を基に、わかりやすく詳細に解説します。この調査は平成17年から行われ、第19回調査までのデータを用いて、日本の世帯構成における変化の傾向を浮き彫りにしています。
まず、全体的な傾向として「夫婦のみの世帯」の割合が大幅に増加しています。第1回調査では全体の21.5%を占めていた「夫婦のみの世帯」が、第19回調査では48.0%に達しています。一方で、「三世代世帯」と「親なし子ありの世帯」の割合は減少傾向にあります。「三世代世帯」は第1回調査の22.5%から10.0%に減少し、「親なし子ありの世帯」も39.5%から23.3%に縮小しました。これらの変化は、日本の社会構造や価値観の変化を反映していると考えられます。
さらに、第1回調査における各世帯構成が第19回調査でどのように変化したかを見ると、興味深い動きが見られます。「親なし子ありの世帯」は47.4%が「夫婦のみの世帯」に変化し、「親あり子なしの世帯」も44.2%が「夫婦のみの世帯」に移行しています。このデータは、子供が独立していく過程や、老後を夫婦だけで過ごす家庭が増加していることを示唆しています。
「単独世帯」の変化も注目に値します。この世帯構成は全体の4.7%から13.6%に増加しました。特に「単独世帯」への移行が顕著であり、第1回調査時の「単独世帯」の71.6%がそのまま単独であり続けた一方で、他の構成からも移行が見られました。これには高齢化社会や未婚率の上昇が影響を与えていると考えられます。
また、「三世代世帯」の割合が減少した背景には、核家族化の進行や都市部への人口集中が関係していると考えられます。三世代同居はかつて日本の家族構成において一般的でしたが、現在では少子化や住宅事情の変化がその形態を減少させています。一方で、「親あり子なしの世帯」や「親なし子ありの世帯」の減少も、世帯構成の単純化や家族規模の縮小といった社会的なトレンドを反映していると言えるでしょう。
全体的なデータを総合すると、日本社会の世帯構成はよりシンプルで個別化された形態に向かっていることがわかります。これらの傾向は、高齢化社会や都市化、価値観の多様化、女性の社会進出、少子化といった複数の要因によってもたらされていると考えられます。特に、「夫婦のみの世帯」の増加は、配偶者同士の関係を重視する社会的な変化を表していると言えます。
このデータは、社会政策や企業のマーケティング戦略にとっても重要な意味を持ちます。例えば、高齢者向けのサービスや商品を提供する企業にとって、「夫婦のみの世帯」や「単独世帯」の増加は顧客層の変化を示しており、ターゲット設定の再考が求められます。同時に、地域社会における世帯構成の変化に対応した福祉政策や住宅設計の見直しも必要です。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ