2025年3月1日
労務・人事ニュース
日本人の外交意識調査 日米関係を良好とする85.5%の意識変化とは?(外交に関する世論調査 令和6年10月調査)
外交に関する世論調査(令和6年10月調査)(内閣府)
令和6年10月に実施された「外交に関する世論調査」の結果が公表された。この調査は、全国の18歳以上の日本国籍を有する3,000人を対象に行われ、有効回答数は1,734人(有効回収率57.8%)だった。調査の目的は、国民の外交に関する意識を把握し、今後の政策立案の参考とすることにある。調査項目には、日本と諸外国の関係、開発協力、国連などでの日本の役割、対外経済、邦人保護、日本の果たすべき役割が含まれている。
調査結果のうち、日本とアメリカの関係についての意識調査では、アメリカに対する親近感を抱く人の割合が84.9%と、前年の87.4%から若干減少した。このうち、「親しみを感じる」と回答した人は33.3%、「どちらかというと親しみを感じる」と答えた人は51.7%である。一方、「親しみを感じない」とした人の割合は14.2%で、前年の11.7%から上昇した。この中でも「どちらかというと親しみを感じない」が9.9%、「親しみを感じない」が4.4%だった。年齢別では、若年層ほどアメリカへの親近感が高い傾向にあり、特に18〜29歳の層では約72.7%が親しみを感じていると答えている。
また、日本とアメリカの現在の関係については、全体の85.5%が「良好である」と回答している。前年の88.1%と比較すると若干の低下が見られるものの、依然として大多数の人が日米関係を肯定的に捉えている。内訳を見ると、「良好だと思う」が26.3%、「まあ良好だと思う」が59.2%だった。一方で、「良好だと思わない」と答えた人は11.4%で、前年の7.9%から増加した。「あまり良好だと思わない」が9.7%、「良好だと思わない」が1.7%という結果だった。この結果から、日米関係に対する評価は概ね安定しているものの、一部で懸念が広がっていることが分かる。
さらに、今後の日米関係の発展が重要かどうかについては、94.9%が「重要である」と回答しており、前年の93.6%から微増した。このうち、「重要だと思う」と答えた人は75.0%、「まあ重要だと思う」と答えた人は19.9%だった。「重要ではない」と考える人は2.1%であり、「あまり重要だと思わない」が1.2%、「重要ではない」が0.9%という結果だった。この結果からも、日米関係の安定的な発展が国民の意識の中で極めて重要な要素として捉えられていることが分かる。
一方で、日本とロシアの関係に関する調査では、ロシアに対する親近感が5.0%と低い水準にとどまっている。前年の4.1%からわずかに増加しているものの、依然として日本人の間でロシアに対する好意的な意識は少ない。「親しみを感じる」と回答したのは0.6%、「どちらかというと親しみを感じる」が4.4%だった。一方、「親しみを感じない」と答えた人は94.3%で、前年の95.3%とほぼ同水準だった。特に「どちらかというと親しみを感じない」とした人は29.7%、「親しみを感じない」とした人は64.6%と、圧倒的に否定的な意見が多いことが明らかとなった。
また、日本とロシアの現在の関係については、多くの人が「良好ではない」と回答している。これは、近年の国際情勢の影響を受けた結果と考えられる。ロシアに対する国民感情が冷え込んでいることは明白であり、今後の外交政策においても慎重な対応が求められる。
本調査の結果から、日本国民の外交意識には、アメリカとの関係を重要視しつつも、一部で懸念を抱いている傾向が見られることが分かる。また、ロシアに対する意識は依然として厳しく、関係改善には時間を要すると考えられる。これらの調査結果は、今後の日本の外交政策を検討する上で重要な参考資料となるだろう。
⇒ 詳しくは内閣府 世論調査のWEBサイトへ