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2024年6月25日

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日本企業の電子契約普及率が77.9%に!2024年に見るDX推進の現状

第2回デジタル部会 資料3 「組織における文書の電子化又はDXに係る課題」(総務省)

近年、電子契約サービスの普及が急速に進んでいます。特に新型コロナウイルスの影響によりテレワークが普及したことで、従来の紙ベースの契約業務が大きく見直され、電子契約への移行が加速しました。2020年以前は電子契約の利用率はほぼ横ばいでしたが、2021年の調査では大幅に増加し、2024年1月の調査では77.9%に達しました。この背景には、業務効率化の推進や契約書類の保管・管理の簡便化を目指したデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展があります。

電子契約とは、従来の紙ベースでの契約文書(見積書、契約書、請求書、領収書など)を電子化し、オンラインで交渉・合意・署名・保管する一連のプロセスを指します。これにより、物理的な書類のやり取りや保管の手間を省き、契約業務の効率化が図られます。特にクラウド型の電子契約サービスの登場により、場所を問わず契約業務が可能となり、企業の業務フローに柔軟に対応できるようになりました。

クラウド型の電子契約サービスは、大きく「当事者型」と「事業者型(立会人型)」に分類されます。当事者型では、契約当事者が自らのデバイス上で電子署名を行います。一方、事業者型では、サービス提供事業者が提供するクラウド上で電子署名を行う仕組みが採用されており、契約当事者の指示の下でサービス提供事業者が署名を代行することもあります。

日本における電子契約の普及は、2000年からのIT関連法の整備(電子署名法、電子帳簿保存法など)を契機に始まりました。その後、2014年にはJIPDEC主導による「電子契約元年」プロジェクトが立ち上げられ、クラウド型電子契約サービスの萌芽期を迎えました。2020年以降、新型コロナウイルスの影響でテレワークが急速に普及し、電子契約のニーズが顕在化。テレワークの阻害要因であった押印の廃止や電子署名の普及により、電子契約の導入が加速しました。

しかし、電子契約の普及にはいくつかの課題もあります。例えば、異なる電子契約サービス間の互換性が乏しいことから、複数の取引先と契約する企業にとっては、異なるシステムへの対応が負担となります。また、組織全体での業務プロセスの見直しが不十分であることが指摘されています。多くの企業では、電子契約の導入が契約担当部門に限定され、組織全体でのDX推進が進んでいないケースも見受けられます。

さらに、政府や地方公共団体による積極的な電子契約の導入が期待されています。特に公共調達や公共入札において、電子契約の導入が進むことで、業務の効率化や透明性の向上が図られるでしょう。また、電子契約サービスに対する第三者による評価や公表が求められており、これにより信頼性の向上が期待されます。

JIPDECは、電子署名法に基づく指定調査機関として、認証局やリモート署名サービスなどのトラストサービスの信頼性評価を行っています。これにより、電子契約サービスの利用拡大と信頼性の確保が進められています。また、デジタル庁は、2023年3月31日に国や地方公共団体による文書電子化の推進を発表し、各種デジタルデータの利用が促進されています。

企業におけるDXの取り組みでは、内向きのDX(業務のデジタル化や従業員体験の向上)が外向きのDX(顧客や市場に新たな価値を提供するDX)よりも進展していることが調査で示されています。特に業務のデジタル化・自動化においては多くの成果が報告されており、今後は外向きのDXにも注力する必要があります。

電子契約サービスの普及とともに、企業の業務効率化が進み、さらなるDXの推進が期待されます。組織全体での業務プロセスの見直しや政府・地方公共団体による積極的な導入が進むことで、日本全体のデジタル化が加速するでしょう。

参考:資料3 「組織における文書の電子化又はDXに係る課題」

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ