2024年3月14日
労務・人事ニュース
日本郵便、新たな局面へ:料金改定とその影響

郵便法施行規則の一部を改正する省令案及び民間事業者による信書の送達に関する法律施行規則の一部を改正する省令案の概要(総務省)
日本郵便は、効率的な経営と適正な収益を維持するため、料金の見直しを進めています。かつては安定した収入源であった郵便事業ですが、デジタル化の進展により郵便物の量は年々減少し、2022年度には民営化以降初の赤字を記録しました。この状況は、社会のデジタル変化により、郵便物が以前ほど必要とされなくなっていることを示しています。
日本郵便はこれまで、郵便の利用促進や業務効率化を図る努力をしてきましたが、経費削減には限界があり、燃料費の高騰や物価上昇も収益に影響を及ぼしています。このため、郵便料金の見直しが急務となっています。
改正案では、主に25グラム以下の定形郵便物の料金上限を84円から110円に引き上げることが提案されています。これは、国民の生活において重要な役割を果たす軽量信書送達サービスの価値を反映し、郵便事業の持続可能性を高めるためです。同時に、競争条件の公平を保つために、一般信書便事業者による同等サイズの信書便物の料金上限も110円に設定することが計画されています。
新しい料金体系は公布日から施行される予定であり、これにより郵便事業の安定化と民間事業者との公正な競争環境が期待されます。
この改正は、現代の郵便事業が直面する経済的な挑戦に対応し、サービスの質を保ちながら経済性を確保するための重要なステップとなります。
主な郵便料金の推移
第一種(封書・定形25g まで) | 第二種(葉書) | 一般信書便役務に係る信書便物(25g まで) | 備考 | |
昭和56.1.20~ | 60円 | 30円 | – | |
昭和56.4.1~ | ↓ | 40円 | – | |
平成元.4.1~ | 62円 | 41円 | – | 消費税3%導入 |
平成6.1.24~ | 80円 | 50円 | – | |
平成9.4.1~ | ↓ | ↓ | – | 消費税5%に引上げ |
平成15.4.1~ | ↓ | ↓ | 80円 | 民間事業者による信書の送達に関する法律施行 |
平成26.4.1~ | 82円 | 52円 | 82円 | 消費税8%に引上げ |
平成29.6.1~ | ↓ | 62円 | ↓ | 年賀葉書の値上げは平成30年2月 |
令和元.10.1~ | 84円 | 63円 | 84円 | 消費税10%に引上げ |
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ