2025年2月17日
労務・人事ニュース
日豪両国が農業・食品分野の協力強化へ、バリューチェーン発展を推進
日豪間の農業・食品のバリューチェーンに関する協力について(農水省)
令和7年2月4日、日本の農林水産省とオーストラリアの農業・水産業・林業省が、農業・食品分野のバリューチェーンに関する協力について正式に合意した。この協力は、農産物の生産から加工、流通、消費までの各段階で付加価値を高め、両国の経済成長と食料安全保障の強化を図ることを目的としている。これにより、日豪両国の農業・食品産業の発展が一層促進されることが期待されている。
今回の合意は、日本の渡邉農林水産審議官と、オーストラリアのフェネシー農業・水産業・林業省次官によって締結された。日豪両国は、これまでも農業・食品分野で密接な関係を築いてきたが、今後は国レベルでの協力をさらに強化し、貿易や投資の拡大を進めていく方針だ。
合意の主なポイントとして、まず農産物貿易の拡大と農業投資関係の強化が挙げられる。日本とオーストラリアは互いに重要な貿易相手国であり、オーストラリアは日本にとって主要な農産物の供給国の一つである。特に、小麦、牛肉、乳製品などの輸出入が活発に行われており、今後の協力によってさらに円滑な貿易関係が築かれることが期待される。
また、農業・食品のバリューチェーンの発展を促進するために、両国が戦略的に協力することも決定された。これには、生産技術の向上や、加工・流通プロセスの効率化などが含まれる。特に、持続可能な農業の推進や、食品の品質管理体制の強化が重要視されている。
さらに、東南アジア市場への輸出拡大を視野に入れた共同生産の奨励も大きなテーマとなっている。日本とオーストラリアは、東南アジア諸国において高品質な農産物や食品の需要が増加していることを背景に、協力して輸出基盤を強化する方針を打ち出した。特に、東南アジアでの食文化の多様化や健康志向の高まりに対応し、需要に適した商品開発や生産体制の確立が求められている。
最後に、地域的および世界的な農業・食品バリューチェーンの近代化に向けた協力も進める。これには、デジタル技術の活用や、環境負荷を低減する持続可能な農業モデルの導入などが含まれる。近年、農業分野ではスマート農業技術の発展が進んでおり、データ活用による生産性向上や物流の最適化が求められている。こうした分野での日豪協力により、グローバル市場における競争力の強化が期待される。
今回の合意は、日本とオーストラリアの経済・農業政策の連携をさらに深める大きな一歩となる。両国はこれまで自由貿易協定(EPA)や経済連携協定(TPP11)を通じて経済関係を強化してきたが、今後の農業・食品バリューチェーンの発展に向けた具体的な取り組みが加速することで、より強固なパートナーシップが築かれるだろう。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ