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2024年11月22日

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景気動向指数速報:9月の先行指数109.4で上昇、採用市場への影響は?

景気動向指数(令和6年9月分速報)(内閣府)

令和6年9月の景気動向指数(CI)速報値が内閣府経済社会総合研究所により公表され、国内経済の動向が数値で明らかになりました。景気動向指数は、先行指数、一致指数、遅行指数の3つの指標で構成され、現在の景気の流れや将来の傾向を示します。9月の先行指数は109.4で、前月から2.5ポイント上昇しました。この先行指数は、今後の経済活動の方向性を示唆しており、景気の先行きを予測する上で重要な役割を果たします。一方、一致指数は115.7と、前月比で1.7ポイントの上昇を見せており、現在の経済状況を反映する数値として注目されます。遅行指数は106.4で、こちらは1.5ポイントの低下が見られ、経済の変化が遅れて現れる要素を示しています。

この速報値は、複数の経済データを基に算出されており、それぞれの寄与度からも各産業や指標の影響が分かります。例えば、9月の先行指数では、最終需要財在庫率指数が-4.4ポイント、鉱工業用生産財在庫率指数が-5.4ポイントで逆サイクルの影響を与えており、これが指数の押し上げ要因となりました。また、実質機械受注(製造業)は9月も引き続き低迷しており、製造業の受注動向に慎重な見通しをもたらしています。この他にも、新設住宅着工床面積や消費者態度指数なども先行指数に影響を与えており、これらのデータは今後の経済環境の動きを予測する上で不可欠な指標です。

一致指数では、鉱工業生産指数や耐久消費財出荷指数、商業販売額(小売業および卸売業)が大きな影響を与えています。特に、耐久消費財出荷指数は9月に4.2%の増加を見せ、国内の消費意欲の動向を反映しています。一方で、商業販売額のうち、卸売業の指標が-1.4ポイントの低下を示し、流通業界の動向が若干の変化を見せています。また、有効求人倍率も前月より0.01ポイント上昇し、労働市場の需要が依然として堅調であることを示しています。これにより、採用市場では求人数の増加が期待されるとともに、雇用調整の見通しが立てやすい状況といえるでしょう。

遅行指数の主な構成要素としては、常用雇用指数や実質法人企業設備投資、消費支出が挙げられます。9月の遅行指数では、完全失業率が若干の改善を見せており、雇用状況の安定が反映されています。また、法人税収入も一部減少しており、企業の収益動向に一部の課題が示されています。これは法人投資に関わる企業の支出や計画の指標にも影響を及ぼし、企業活動における景気変動が反映されています。企業の人材戦略においても、こうした動向を踏まえた中長期的な視点が求められる場面です。

さらに、景気動向指数の発表では、3か月および7か月後方移動平均も提供されています。9月の3か月後方移動平均は先行指数で108.5、一致指数で115.6、遅行指数で107.3となり、長期的な経済動向を把握する指標として活用されています。これらの指数は短期的な変動に影響されにくく、企業の経営や人材採用の見通しを安定させるための指針となり得ます。特に、先行指数の動向は今後の景気の回復や後退を早期に察知するための目安として役立ち、企業の採用活動や人材投資の計画を調整するための指標としても注目されています。

本報告では、今後の公表予定も記載されており、11月25日に9月分の確定値、12月6日には10月分の速報値が発表予定です。これにより、企業は最新の経済状況を把握し、柔軟な対応が可能となるでしょう。特に、採用担当者にとっては景気の変動に対応した採用活動の調整が求められ、採用計画の見直しや人材の確保戦略の立案に役立つ情報となります。例えば、求人倍率や住宅着工面積、消費者信頼感指数などは雇用市場と密接に関連しており、経済が活発であれば求人需要も増加します。このため、景気動向指数を基にした採用計画は、安定した人材確保と効率的な採用活動の両立に貢献することが期待されます。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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