労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 最大120万円を補助、国土交通省が自動車運送業者向けに交通事故防止対策を支援する新制度を令和7年7月31日より開始

2025年8月12日

労務・人事ニュース

最大120万円を補助、国土交通省が自動車運送業者向けに交通事故防止対策を支援する新制度を令和7年7月31日より開始

Sponsored by 求人ボックス

事故防止対策支援推進事業に係る補助金の申請受付を開始 ~バス、タクシー、トラック運送事業者等の交通事故防止のための先進的な取組等を支援~(国交省)


この記事の概要

国土交通省は、自動車運送事業における交通事故の防止を目的とした「事故防止対策支援推進事業」の補助金申請受付を開始しました。補助対象は、運行管理の高度化、過労運転の防止、安全教育、健康起因事故の防止に関する先進的な取り組みです。申請期間は令和7年7月31日から令和8年1月30日までで、一部事業は8月29日から受付開始です。ここまでが概要です。


国土交通省は、バス、タクシー、トラックなどの自動車運送業者における交通事故の未然防止を目的とした補助事業を新たにスタートさせました。この事業では、運行管理の高度化や過労運転の防止、さらには健康上の問題による事故を減らすための取り組みなど、業務の安全性向上に直結する先進的な施策に対して補助金を交付します。対象となるのは、一般乗合や貸切旅客事業者、貨物運送業者といった中小規模の自動車運送事業者、またそれらへリースを行う事業者です。

補助金の交付対象には、デジタル式運行記録計や映像記録型ドライブレコーダーなどの運行管理機器の導入があります。これらは国土交通大臣が選定した機器であることが条件で、補助率は導入費用の3分の1。ただし、小規模な貨物運送業者で、これまでに該当機器を導入した実績がない場合には補助率が2分の1に引き上げられます。補助額は機器1台あたり最大13万円で、1事業者あたりの上限は80万円、特定条件を満たす場合は120万円にまで引き上げられます。

また、過労運転を防ぐための支援として、ITを活用した遠隔点呼機器や運転者の疲労・睡眠状態を把握するための機器導入にも補助金が適用されます。これらの機器に対する補助率は導入費の2分の1で、1事業者あたりの上限は80万円です。安全教育の強化にも力が入れられており、事故防止コンサルティングや貸切バス運転者の研修など、教育体制の充実に対する支援も用意されています。事故防止コンサルティングは経費の3分の1、研修については2分の1が補助され、それぞれの上限は100万円と50万円です。

さらに注目されるのが、今年度から新たに加わった健康起因事故防止の取り組みに対する支援です。これは睡眠時無呼吸症候群(SAS)や脳・血管系の検査、視野障害に関する検査など、健康診断ではカバーしきれない領域の検査費用を補助するもので、補助率は費用の2分の1、1事業者あたり50万円を上限に補助されます。これにより、運転者の健康状態をより深く把握し、事故の未然防止に役立てることが期待されます。

申請は令和7年7月31日から令和8年1月30日まで受け付けられますが、健康関連の取り組み支援については8月29日からの受付開始となるため、注意が必要です。また、予算に限りがあるため、申請総額が上限に達した時点で受付が締め切られる可能性があります。申請手続きはすべて専用ポータルサイトから行う必要があり、運輸支局などでは受け付けられません。

自動車運送業者にとって、これらの支援は安全対策を進める上での大きな後押しとなるでしょう。とくに、補助対象の中には通信機能付きの高度な記録装置も含まれており、効率的な運行管理の実現や事故発生時の迅速な対応が期待されます。また、健康面のケアまで含めた包括的な支援は、業界全体の働き方改革にもつながる可能性があります。

国土交通省は今回の取り組みを通じて、事故リスクの低減とともに、運転者の健康管理や教育体制の整備にも注力する方針です。企業としてはこの機会を活かし、補助金を活用しながら安全性の高い運行体制を構築していくことが重要です。採用面においても、こうした先進的な取り組みが企業価値の向上につながり、人材確保の観点からも有利に働く可能性があります。

この記事の要点

  • 令和7年7月31日から補助金申請受付開始
  • 対象はバス・タクシー・トラック運送業者などの中小企業
  • 補助対象機器にはデジタコやドライブレコーダー等が含まれる
  • 健康検査費用に対する新たな支援が追加
  • 申請上限額は最大で120万円
  • 申請はポータルサイト経由でのみ受付
  • 予算に達し次第受付終了の可能性あり

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ
それ以外はこちら