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2024年9月29日

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最大2台分の輸送が1台で可能に!ダブル連結トラックの運行範囲が全国6,330kmに

「ダブル連結トラック」の対象路線を拡充 ~新たな対象路線を含めた区間で特殊車両通行許可申請の受付開始!~(国交省)

令和6年9月17日に国土交通省道路局から発表された「ダブル連結トラック」の対象路線拡充に関する取り組みは、物流業界における効率的な輸送の実現を目指す重要な施策です。ダブル連結トラックとは、1台で通常の大型トラック2台分の輸送が可能な特殊車両で、従来よりも一度に大量の貨物を運搬できるため、物流の効率化や環境負荷の軽減に貢献するとされています。

平成31年1月から本格的に導入されたダブル連結トラックの通行区間は、これまでに段階的に拡大してきました。今回の拡充では、物流事業者のニーズを反映し、道路構造や休憩施設の充実を踏まえた新たな対象路線が追加されます。具体的には、北海道や首都高速、阪神高速といった主要な都市部での通行が新たに許可され、さらには災害時の迂回路となる上信越道や北陸道、中国道など、全国的に幅広い地域で対象路線が増加します。この結果、従来の5,140kmの通行可能区間が6,330kmへと拡大され、より多くの物流業者がダブル連結トラックを利用できるようになります。

この施策により、物流事業者にとっての利便性が大幅に向上することが期待されています。特に、大都市圏での渋滞緩和や環境への配慮が求められる中、効率的な輸送手段としてのダブル連結トラックの活用が注目されているのです。さらに、災害時の対応力も強化されるため、非常時における物流ネットワークの柔軟性が向上し、全国規模での物流の安定化に寄与するでしょう。

国土交通省は今回の発表に伴い、ダブル連結トラック専用の駐車スペースを高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)で順次整備する計画も進めています。これにより、運転者が安全に休憩を取れる環境が整い、運行の安全性も向上します。現時点では、全国12か所の休憩施設で優先駐車スペースの設置が予定されており、今後も物流事業者のニーズを反映しながら、さらに整備を進める方針です。

ダブル連結トラックの導入に伴う効果としては、まず第一に輸送効率の向上が挙げられます。従来のトラック2台分の荷物を1台で運搬できるため、トラックの台数を減らすことが可能です。これにより、運転手不足が深刻化している物流業界において、少ないリソースでより多くの貨物を輸送できるというメリットがあります。また、トラックの台数が減ることで、道路の混雑が緩和され、渋滞の減少にもつながります。さらに、二酸化炭素の排出量が削減されるため、環境面でも大きな効果が期待されています。

今回の施策で追加された新たな対象路線には、東北自動車道や関越自動車道、中央自動車道など、日本全国の主要な高速道路が含まれており、広範囲にわたって利用可能な区間が広がっています。これにより、より多くの物流業者が効率的に運行計画を立てられるようになるだけでなく、従来のルートに比べて、より迅速かつ安全に貨物を届けることができるようになります。

さらに、国土交通省は引き続き、物流事業者の運行状況やニーズを細かく調査しながら、今後の対象路線拡大や休憩施設の整備計画を進める予定です。このような取り組みは、日本の物流ネットワーク全体の強化に貢献し、企業にとってもコスト削減や運送効率の向上という形でメリットが享受されるでしょう。

最後に、ダブル連結トラックの導入や拡充が進む中で、企業が注目すべき点として、これらの新しい輸送手段をどのように活用するかという戦略的な視点が求められます。特に、物流コストの削減や迅速な配送が競争力の鍵となる現代のビジネスにおいて、効率的な物流体制を構築することは重要です。新たに拡大された対象路線を活用することで、従来の輸送手段に比べてどれだけのコスト削減や配送時間の短縮が実現できるのか、具体的なシミュレーションや計画を立てることが求められます。

ダブル連結トラックの導入は、物流業界のみならず、製造業や小売業といった幅広い業種に影響を与える可能性があります。これからの企業は、こうした新たな輸送手段の導入に積極的に対応し、業界全体の効率化を図ることが必要不可欠です。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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