2025年1月29日
労務・人事ニュース
月収平均2.8万円の短期労働市場 採用担当者が知るべきデータ
スポットワークに関する調査2025(連合)
短期間や単発で働く「スポットワーク」という就業形態が注目を集めています。この働き方は、生活費の補填や空き時間の活用を目的に、多くの労働者が採用する選択肢となっています。連合(日本労働組合総連合会)が実施した「スポットワークに関する調査2025」によれば、調査期間中に1,000名を対象に集めたデータから、スポットワークの実態と課題が明らかになりました。
調査結果によると、一度のスポットワークにおける平均労働時間は3.5時間であり、収入の月平均は2.8万円とされています。特に若い世代において、複数のスポットワークを掛け持ちし、1日に8時間以上働くケースが15.3%に上ることが確認されています。これは、利用するスポットワークサービス数が増えるほど労働時間が長くなる傾向を示しています。こうした働き方が一般的になる一方で、労働環境の整備が追いついていない現状も浮き彫りとなりました。
実際にスポットワークを利用する際、「労働条件通知書」がすべての就業先で交付されていると回答したのはわずか30.9%にとどまり、労働者保護の不十分さが指摘されています。また、仕事中のトラブルを経験した労働者は全体の46.8%に上り、その主な内容として「仕事内容が求人情報と異なっていた」や「十分な指示や教育がなかった」といった点が挙げられました。
これらの課題に対処するため、企業側にはいくつかの取り組みが求められます。まず、労働条件の明確化と透明性の確保が挙げられます。スポットワークでは、求人情報の信頼性が特に重要視されるため、仕事内容や報酬に関する正確な情報提供が必要です。また、短期労働者に対する怪我や事故防止の教育も不可欠です。同調査では、怪我や事故防止について十分な説明を受けたことがない労働者が34.4%に上ることが判明しました。
さらに、トラブルが発生した場合の対応策を整備することも、採用の一環として重要です。相談窓口の設置や、問題が解決するまでの支援体制の強化が求められます。特に、労働者が安心して働ける環境づくりが、雇用側の信頼を高める要素となります。
スポットワークは、その柔軟性と利便性から、多くの労働者に支持されていますが、雇用環境の整備が不足しているため、企業が積極的に労働者を守る取り組みを進める必要があります。短期間であっても、労働者に十分なサポートを提供することが、企業全体の信用を高める大きなポイントとなるでしょう。
⇒ 詳しくは日本労働組合総連合会のWEBサイトへ