2025年2月12日
労務・人事ニュース
東京都の有効求人倍率は2024年12月に1.76倍!前月と同水準を維持する中、採用市場の変化にどう対応すべきか?
一般職業紹介状況(令和6年12 月分及び令和6年分)(東京労働局)
東京労働局が公表した最新の一般職業紹介状況によると、令和6年12月の有効求人倍率(季節調整値)は1.76倍で、前月と同じ水準となった。年間を通しての有効求人倍率は1.77倍であり、前年より0.01ポイント低下したことが明らかになった。
有効求人数(原数値)は37万839人で、前年同月比で3.2%増加し、3か月連続で前年を上回った。一方、有効求職者数(原数値)は19万7642人で、前年同月比3.9%増となり、15か月連続で前年同月を上回る結果となった。これらのデータから、東京都における労働市場の動向が引き続き活発であることがうかがえる。
新規求人倍率(季節調整値)は3.53倍で、前月より0.06ポイント上昇し、新規求人数(原数値)は12万4359人で、前年同月比3.6%増となった。これにより、2か月ぶりに前年同月を上回る結果となった。特に、情報通信業(29.6%増)、卸売業・小売業(28.5%増)、宿泊業・飲食サービス業(8.9%増)、運輸業・郵便業(8.4%増)など、5産業で新規求人数が増加した。一方、製造業(7.4%減)、生活関連サービス業・娯楽業(4.6%減)など、4産業では新規求人数が減少していることが確認された。
新規求職者数(原数値)は2万7554人で、前年同月比3.2%増となり、3か月ぶりに前年同月を上回った。特に、離職者は1万2848人で前年同月比5.6%増、事業主都合による離職者は4107人で前年同月比20.5%増となった。一方、自己都合離職者は7961人で前年同月比0.5%減となり、3か月連続で前年同月を下回る結果となった。
また、就職件数は6071件で、前年同月比1.5%減となり、一般就職件数は2737件(前年同月比5.7%減)、パート就職件数は3334件(前年同月比2.1%増)となった。求人充足数も8458件で、前年同月比4.0%減となった。特に、一般求人充足数は3981件(前年同月比8.1%減)、パート求人充足数は4477件(前年同月と同数)であり、一般求人の充足率が低下していることが分かる。
正社員の職業紹介状況についても報告されており、正社員の有効求人数(原数値)は16万4873人で、前年同月比7.3%増と44か月連続で前年同月を上回った。正社員有効求人倍率(原数値)は1.26倍で、前年同月より0.06ポイント上昇した。また、新規求人数(原数値)は5万3821人で、前年同月比5.1%増と6か月連続で前年同月を上回る結果となった。しかし、正社員就職件数は1997件で、前年同月比7.2%減と、減少傾向がみられる。
産業別にみると、情報通信業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、運輸業・郵便業などで新規求人が増加する一方、製造業や生活関連サービス業・娯楽業では減少しており、産業ごとの需要の差が際立つ結果となった。
このような状況を踏まえると、東京都の雇用市場は全体的には回復基調にあるものの、一部の産業では求人数の減少が続いていることがわかる。特に、離職者の増加傾向が続いている点や、事業主都合による離職者の増加が顕著になっている点は注視すべき課題となる。企業の採用担当者にとっては、特定の業種における人材獲得の難易度や求職者の動向をより詳細に分析し、適切な採用戦略を立てることが重要となる。
⇒ 詳しくは東京労働局のWEBサイトへ