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2024年11月24日

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東海地域の消費動向分析:物価上昇率5%と消費者心理の変化が年末商戦に与える影響とは?

景気ウォッチャー調査(令和6年10月調査)― 東海(先行き)―(内閣府)

2024年10月に実施された景気ウォッチャー調査の結果、東海地域における景気の先行きについて、業種や職種ごとの多様な視点が浮き彫りになりました。本調査では、小売業、観光業、製造業、建設業など幅広い分野での意見が集約されており、地域経済の現状と課題が具体的に示されています。

小売業では、年末商戦への期待が一部で見られるものの、物価上昇や消費者心理の停滞が販売に影響を与えています。百貨店の販売促進担当者は、インバウンド需要の増加やギフト需要の高まりを肯定的に捉える一方、富裕層以外の購買力低下を懸念しています。また、スーパーやコンビニの経営者からは、年末年始の来客数増加に期待が寄せられているものの、全般的な消費動向に大きな変化は見られないという見解も挙がっています。一方で、衣料品専門店では季節の変化やイベント需要を追い風に売上増加を見込む意見が目立ちました。

観光業や飲食業でも、年末年始の繁忙期に向けた動きが期待されています。観光型ホテルの支配人は、正月休みの曜日配置が好条件であることから予約数の増加を予測しており、高級レストランの経営者も法人や個人の利用増加に期待を寄せています。一方、旅行代理店では選挙や災害の影響が収まりつつある状況を好材料としつつも、物価高や消費者心理の回復に時間がかかるとの慎重な姿勢も示されました。

製造業では、政治情勢や為替の影響が業績見通しに影を落としています。電気機械器具製造業では、新たな設備投資が来年度以降にずれ込む可能性が指摘されており、輸送用機械器具製造業でも賃金や材料費の上昇がコスト構造に与える影響が懸念されています。特に中小企業においては、原材料価格の高騰が販売量減少につながるケースも報告されています。

建設業では、建材費の上昇や工賃の高騰が新築・改修案件に影響を及ぼしており、資金計画の見直しを余儀なくされるケースが増加しています。住宅販売会社では円安の影響で住宅価格が上昇しており、消費者心理の冷え込みが需要減少を加速させています。このような状況下では、政策的な支援策が求められる声が多く上がっています。

雇用関連では、求人倍率がわずかに改善傾向にある一方で、最低賃金の引き上げが企業経営に与える負担が指摘されています。職業安定所の調査では、求人は一部産業で増加しているものの、原材料価格の高騰や賃金引き上げに対応するため、求人を抑える動きもみられます。また、派遣業やアウトソーシング業界では、特に自動車産業における生産調整が関連業務の減少を招き、転職活動が活発化していることが報告されています。

全体的に見て、東海地域の景気は堅調な部分もあるものの、物価上昇や政治情勢の不透明さ、為替の変動など多くの外部要因が企業活動や個人消費に影響を与えています。これらの要因を踏まえた柔軟な政策対応や企業努力が必要とされています。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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