2024年10月10日
労務・人事ニュース
栃木県の労働市場、8月の有効求人倍率1.14倍でわずかに減少!新規求人は増加傾向
「労働市場のようす(令和6年8月の求人・求職の取扱状況)」を発表します。(栃木労働局)
栃木県の労働市場に関する8月の雇用状況について詳しく説明します。令和6年8月の栃木県における労働市場の動向は、全国的な経済状況や雇用の流れを反映しており、具体的なデータをもとにその変化が観察されています。
まず、有効求人倍率(季節調整値)は1.14倍となり、前月より0.01ポイント下回りました。この数字は、求職者1人に対して1.14件の求人が存在することを示しており、わずかに下降したものの、依然として高い水準を保っています。これに対して新規求人倍率は2.11倍で、前月より0.01ポイント上昇しました。この数値は、求職者が新規に登録された求人に対してどの程度の求人数があるかを示しています。新規求人倍率の上昇は、新たな雇用の場が一定のペースで増えていることを示しています。
一方、有効求人に関しては、全体の有効求人数が36,910人で、前年同月比で5.2%減少しています。この減少は14カ月連続で続いており、雇用市場における需要の減退が見られます。また、新規求人数は12,016人で、こちらも前年同月比で5.2%減少しました。この減少傾向は2カ月ぶりであり、企業の新規採用のペースが落ちていることを反映しています。
さらに、産業別の新規求人状況においても、各業界で異なる傾向が見られました。建設業では前年同月比で13.1%の減少が見られ、2カ月ぶりに減少傾向となっています。同様に製造業でも24.3%の減少があり、こちらも2カ月ぶりの減少となりました。運輸業・郵便業も14.4%の減少が続き、12カ月連続で前年を下回っています。卸売業・小売業では12.5%の減少があり、4カ月連続での減少傾向が確認されています。宿泊業や飲食サービス業では9.7%の減少があり、3カ月連続で前年を下回っています。生活関連サービス業や娯楽業も19.4%減少し、2カ月連続で減少しています。
しかし、業種によっては、逆に増加傾向が見られるものもあります。医療や福祉の分野では8.6%の増加があり、2カ月連続で前年を上回っています。また、サービス業(他に分類されないもの)では18.1%の増加が見られ、3カ月ぶりに前年を上回る結果となっています。このように、業種ごとの新規求人状況には大きなばらつきがあり、特にサービス業や医療・福祉分野では引き続き強い求人需要があることが伺えます。
失業者数に関しては、雇用保険受給者数が1,448名で、前年同月比で5.5%減少しました。この減少は、雇用の安定が一定程度見られることを示していますが、全体的な経済の状況が引き続き不透明であることも伺えます。特に、新規の雇用保険受給資格決定者数が167名で、前年同月比で9.9%減少していることから、新たな失業者の数が減少していることが確認されます。
このような労働市場の動向を踏まえ、栃木県の企業は今後の雇用状況に対して注意深く対応する必要があります。特に、新規求人倍率が高い一方で、有効求人倍率のわずかな下降が見られることから、求職者数と求人件数のバランスをしっかりと見極めた採用計画が求められます。また、医療・福祉分野やサービス業など、需要が伸びている業種においては、積極的な採用活動が引き続き必要とされるでしょう。これに対して、建設業や製造業といった減少傾向が続いている分野では、効率的な人材確保のための戦略が重要です。特に、労働市場の変動に柔軟に対応しつつ、必要なスキルを持った人材を適切に確保することが、企業の持続的な成長に繋がるでしょう。
以上を踏まえると、栃木県の労働市場は全体的に安定しているものの、一部の業界での求人減少が顕著です。企業は今後の採用活動において、労働市場の動向を的確に把握し、長期的な戦略を立てる必要があります。
⇒ 詳しくは栃木労働局のWEBサイトへ