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2024年10月6日

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正社員有効求人倍率1.01倍!企業の採用活動に追い風、令和6年8月データ

一般職業紹介状況(令和6年8月分)について(厚労省)

厚生労働省は、毎月、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況を「一般職業紹介状況」として公表しています。令和6年8月分のデータでは、有効求人倍率は1.23倍と前月比で0.01ポイント減少しました。一方で、新規求人倍率は2.32倍と前月比で0.10ポイント上昇しました。これにより、新たに求人を出す企業の数が増加し、求職者にとっても職業を探しやすい状況が見られる一方、既存の求人数が減少していることが確認されます。

さらに、正社員有効求人倍率も1.01倍と0.01ポイント増加し、正社員の求人状況も安定していることがわかります。8月の有効求人数は0.8%減少したものの、有効求職者も0.3%減少しました。これにより、求人と求職のバランスが微調整されつつあります。また、新規求人は前年同月と比較して6.5%減少しており、特に製造業や宿泊業、飲食サービス業での求人が顕著に減少しています。具体的には、宿泊業と飲食サービス業では前年同月比で23.5%減少しており、依然としてコロナ後の経済回復が完全ではない状況が見て取れます。

都道府県別に見ると、有効求人倍率が最も高かったのは福井県で1.87倍、逆に最も低かったのは大阪府で1.03倍でした。これは地域ごとの経済状況や雇用市場の違いを示しており、地域によって求職者に対する求人の提供状況が大きく異なることがわかります。また、受理地別では東京都が1.76倍、神奈川県が0.91倍となっており、都市部でも地域ごとに求人の充足状況にばらつきがあることが確認されています。

また、令和3年9月以降、ハローワークのインターネットサービスが拡充され、オンラインでの求職登録や求人への直接応募が可能になったことから、求職者や就職件数の集計方法に変更が加えられています。これにより、オンラインを活用した求職活動がより一層促進されている状況です。今後も、このオンラインサービスの拡充により、さらに多くの求職者が迅速に求人にアクセスできるようになると期待されます。

業種別のデータを見ると、情報通信業が前年同月比で1.4%増加しているのに対して、宿泊業や飲食サービス業は23.5%、生活関連サービス業・娯楽業は12.3%、製造業は10.5%といった大幅な減少が目立ちます。特に宿泊業や飲食サービス業は、新型コロナウイルス感染症の影響から完全には回復しておらず、需要が依然として低迷していることがうかがえます。一方で、情報通信業はテレワークの普及やデジタルサービスの需要拡大によって、求人が増加している業界の一つです。

就職率のデータを見ると、8月の就職件数は前年同月比で9.6%減少しており、求職者が仕事を見つけるのに苦労していることが示唆されています。また、新規求職申込件数も前月比で2.6%減少しており、求職活動においても減少傾向が見られます。これは、特定の業界や地域での求人が減少していることが影響していると考えられます。

特に、常用職業紹介状況を見てみると、正社員や契約社員を対象としたデータでは、月間有効求人倍率が1.13倍となり、パートタイムを含まない求人状況でもバランスが取れていることがわかります。ただし、新規求人倍率は2.30倍となっており、新しい求人に対する競争は依然として激しいことが示されています。これにより、企業はより多くの応募者から最適な人材を選び抜く必要があり、採用活動が活発化している状況が続いています。

このような状況下で、企業の採用担当者にとっては、求人倍率や就職率の変動を理解し、適切なタイミングで求人を出すことが重要です。特に、新規求人倍率の上昇は、採用競争が激化していることを示しており、採用計画を練る際には、早めに人材を確保することが求められます。

また、地域ごとの求人倍率の違いを把握することも重要です。例えば、東京都や福井県のような高倍率の地域では、より多くの求人を出すことで優秀な人材を確保しやすい状況が見られる一方、大阪府や神奈川県のような低倍率の地域では、求人を出してもすぐに応募者が集まらない可能性が高いです。企業は地域ごとの求人状況をよく理解し、それに応じた採用戦略を展開することが重要です。

加えて、製造業や宿泊業、飲食サービス業など、特定の業界での求人が減少している中で、情報通信業や医療・福祉業界など、成長が見込まれる業界への転職を支援する取り組みが求められています。企業の採用担当者は、これらの業界に焦点を当てて人材を確保することで、今後の業界成長に備えることができるでしょう。

最後に、企業の採用担当者にとって、最新の求人データをもとに、効果的な採用戦略を立てることが不可欠です。例えば、季節調整されたデータを参考にし、どの時期にどのような求人を出すべきかを検討することで、効果的な採用活動を展開できます。また、ハローワークのインターネットサービスを活用することで、オンラインでの求職者との接触を強化し、より多くの応募者からのエントリーを得ることが期待されます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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