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2024年11月29日

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正規雇用が18年間で36.3%減少!雇用市場の変化が示す新たな課題

第19回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況 就業の状況(厚労省)

日本における就業状況の変化に関する調査結果によると、この18年間で正規雇用の割合が大幅に減少したことが明らかになっています。調査開始当初の第1回では、正規職員・従業員の割合は全体の38.7%を占めていましたが、第19回ではわずか2.4%となり、顕著な減少が見られました。一方で、パートやアルバイト、または自営業主・家族従業者の割合もそれぞれ17.0%から13.2%、15.2%から11.5%へと減少しています。このような雇用形態の変化は、労働市場の構造的な変化や社会経済の変遷を反映していると考えられます。

性別ごとに見ると、男性の場合、第1回調査時点で正規職員だった人の39.1%が第19回時点でも仕事を続けており、その中でもパートやアルバイトに転じた人は14.9%、派遣社員や契約社員・嘱託となった人は7.9%でした。これに対し、女性の場合、第1回調査でパート・アルバイトとして働いていた人の30.5%が第19回でも同様の形態で働いており、その割合は男性より高い24.8%に達しています。これらのデータは、男女間での雇用形態の選択肢やキャリアの継続性に違いがあることを示しています。

また、60歳以上の就業状況に関しても興味深い傾向が見られました。60~69歳を対象とした第11回と、第19回調査(68~77歳)の結果を比較すると、どちらも年齢が上がるにつれて就業率は低下していますが、68~69歳の層では第19回の方が就業率が高いという結果になっています。具体的には、男性では68歳で4.3ポイント、69歳で7.9ポイント、女性ではそれぞれ7.9ポイントと7.5ポイント高い値を示しました。このデータは、高齢者の間で仕事を続ける意欲が増している可能性を示唆しています。

さらに、仕事をしている理由にも時代ごとの変化が見られます。例えば、第6回調査(55~64歳)では「現在の生活費のため」と答えた割合が男性で86.6%、女性で60.6%と圧倒的に高かった一方で、第19回調査(68~77歳)では「健康を維持するため」が男女ともに最も高い割合を占め、男性で53.8%、女性で55.8%に達しました。また、社会とのつながりを維持したいという理由も女性で43.4%と高く、多様化する高齢者の就業理由が浮き彫りとなっています。

一方で、仕事をしていない人のうち「仕事をしたい」と考えている人の割合を調査したところ、第19回調査では男性が14.2%、女性が10.2%でした。この割合は、年齢階級別に見ると68~69歳の層で最も高く、男性で19.1%、女性で13.2%に達しています。この結果から、特に高齢層においても労働意欲を持つ人々が一定数存在することが確認されました。これは、健康志向や社会参加意欲の高まりが影響している可能性があります。

これらのデータは、企業が今後の採用戦略を立てる際の参考になるでしょう。特に高齢者雇用に対する取り組みや、男女で異なる働き方のニーズに対応する柔軟な雇用政策の必要性が浮き彫りになっています。さらに、健康維持や社会的つながりを重視する人々に向けた新しい働き方の提案や、適切な職場環境の提供が企業に求められるでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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