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2024年9月23日

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水銀濃度の年平均が40ng/m3の基準値を大幅に下回る結果!令和5年度の大気モニタリング調査

令和5年度 大気中水銀バックグラウンド濃度等のモニタリング調査結果について(環境省)

環境省が令和5年度に実施した大気中水銀モニタリング調査の報告によると、水銀のバックグラウンド濃度の観測は、沖縄県辺戸岬と秋田県男鹿半島で行われました。この調査の目的は、水銀排出の国際的な状況や国内の環境への影響を把握することです。水銀は、金属水銀、酸化態水銀、粒子状水銀という3つの形態で存在し、それぞれ異なる挙動を示します。調査の結果、大気中の水銀濃度は年平均で1.6ng/m3と、環境基準で定められた40ng/m3を大幅に下回る値でした。

辺戸岬では、令和5年度の金属水銀濃度が平均で1.6ng/m3でした。これに対し、酸化態水銀と粒子状水銀は、全体の1%以下であり、極めて低い濃度が確認されました。これまでの年度の結果と比較しても、大気中水銀の濃度は安定しており、過去数年間で大きな変動は見られませんでした。特に、平成21年度から平成25年度にかけて減少傾向が見られたものの、その後は横ばいで推移しています。また、降水中の水銀濃度も調査され、降水量と濃度の積として湿性沈着量が求められました。これによって、地上に沈着する水銀の量が把握されました。

男鹿半島においても同様の調査が行われ、令和5年度の結果は辺戸岬とほぼ同等の濃度でした。ただし、男鹿半島の測定では、1時間ごとの最大値が11.8ng/m3と、辺戸岬よりもやや高い値が確認され、濃度変動の幅が大きいことが特徴として挙げられます。これにより、男鹿半島では局所的な要因による短期的な濃度変動が生じやすいことが示唆されました。

さらに、令和5年度の調査では、辺戸岬と男鹿半島で共通して水銀濃度の年平均が安定していることが確認されました。両地域ともに大気中水銀の健康リスクを抑える指針値を大きく下回っており、国内の水銀汚染の状況は安定していると考えられます。また、これまでの調査結果からは、辺戸岬で観測された水銀濃度は、平成20年度以降、長期的に減少傾向を示していることが確認されています。

このような調査結果に基づいて、環境省は引き続きモニタリングを継続し、国際的な水銀排出規制の強化に向けた情報を提供する予定です。調査結果は国内外の関係機関と共有され、水銀の排出削減に向けた取り組みが促進される見込みです。また、今回の調査は水俣条約に基づく国際的な取り組みに資するものであり、国内の水銀対策の一環として重要な役割を果たしています。

この調査は今後も継続される予定であり、大気中水銀の濃度を長期的に観測することで、国内の水銀排出源やその影響を把握し、環境保全に貢献していくことが期待されています。国内の水銀排出源による大気汚染の影響がどの程度あるのか、引き続きデータの蓄積と分析が求められています。

以上のように、今回の調査結果は、国内の水銀排出源による環境影響が比較的少ないことを示しており、今後も大気中の水銀濃度の推移を注視する必要があります。国際的な水銀規制が進む中で、日本も引き続き国内の水銀排出を監視し、その結果を国内外で共有することで、地球規模での水銀削減に貢献していくことが重要です。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ

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