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2025年1月3日

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派遣元事業主が知っておきたい労使協定改定と助成金申請のポイント

人材確保等支援助成金(派遣元特例コース)(厚労省)

人材確保等支援助成金(派遣元特例コース)は、派遣労働者の待遇改善を目的として設けられた助成制度です。この制度は、派遣元事業主が派遣労働者の賃金制度を新たに整備または改善する際に支援を提供するもので、特に労使協定方式を採用し、同一労働同一賃金の原則に基づいて派遣労働者の賃金を設定する事業主を対象としています。この助成金は、令和6年5月24日から令和7年3月31日までの間に賃金制度を整備した派遣元事業主に支給されます。

派遣元事業主がこの助成金を申請するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、令和6年4月1日以降に派遣労働者を雇用していることが条件の一つです。さらに、賃金制度を見直し、新たな地域指数に基づいて派遣労働者の賃金を一般的な賃金水準以上に引き上げることが求められます。これは、以前の地域指数に基づいて締結された労使協定が新しい指数と合致しない場合に、その差額を補填する形で賃金を支払った場合にも適用されます。このような取り組みを実施することで、派遣労働者の待遇向上を図り、労働環境の公平性を保つことが期待されています。

助成金の支給額は、派遣労働者一人当たり一万円を基本額に加算し、事業主には五万円を基準額として支給されます。ただし、必要経費がこの合計額を超える場合には、その超過分が助成対象とならないため、注意が必要です。また、申請の際には、賃金制度の整備内容を明確に示す書類を提出することが求められます。具体的には、支給申請書や派遣労働者名簿、賃金制度の内容が確認できる資料、そして支給要件確認申立書などの書類が必要です。これらの書類を労働局に提出し、審査を受けることで助成金が支給されます。

また、この助成金制度は、すでに退職した派遣労働者に関する賃金調整にも適用される点が特徴です。退職者が過去に受け取るべきだった賃金の差額についても対象となるため、派遣元事業主は過去の賃金体系を再確認し、必要に応じて助成金を申請することができます。この制度は、派遣労働者の待遇改善とともに、派遣元事業主が公正な雇用管理を実現するための重要な支援策と言えるでしょう。

さらに、賃金制度を見直す過程で新たな人員の雇用や既存の人員の業務時間増加が必要になる場合も助成金の対象となります。この点は、事業主にとって大きな負担軽減となるでしょう。助成金の申請期間は令和6年6月28日から開始されており、各都道府県労働局が窓口となっています。申請を予定している事業主は、速やかに必要書類を準備し、申請手続きを進めることが推奨されます。

この助成制度を活用することで、派遣労働者の待遇改善を進めるとともに、事業主側も経済的な負担を軽減できるメリットがあります。派遣労働者の雇用環境を整え、労働市場全体の公平性を高めるために、この助成制度を積極的に活用することが望まれます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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