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2023年12月22日

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派遣労働者に対する教育とスキルアップトレーニングを提供している企業は全体の70%程度(厚労省)

厚生労働省は、令和4年度に行った「派遣労働者に関する実態調査」の結果を発表しました。

この調査は、派遣労働者の働き方や受け入れ先の企業の現状を明らかにするために実施されました。調査対象は、5人以上の正社員を雇用している約17,000の事業所と、そこで働く約11,000人の派遣労働者で、令和4年10月1日時点のデータを基に行われました。事業所による回答率は49.7%、派遣労働者による回答率は64.8%でした。

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<事業所に関する調査>
◆全体の12.3%の事業所で派遣労働者が働いていました。このうち、過去1年間(令和3年10月から4年9月)に派遣労働者に対する教育訓練や能力開発を行った事業所は69.7%に上ります。また、同一部署での派遣期間が個人の期間制限(3年)に達した派遣労働者がいる事業所は24.6%でした。

<派遣労働者に関する調査>
◆年齢層別では、「45~49歳」、「50~54歳」が共に15.8%と最も多く、平均年齢は44.3歳でした。現在の業務内容としては「一般事務」が35.2%と最も多く、派遣元との労働契約期間に関しては「期間の定めなし」が38.4%で最も多い結果となりました。

◆時給換算した賃金を見ると、「1,250円から1,500円未満」の範囲が27.8%と最も多く、平均賃金は1,510円でした。

◆今後の働き方については、「派遣労働者として続けたい」と答えた人が34.2%、「派遣以外の雇用形態で働きたい」と答えた人が37.0%となりました。

派遣労働の給与水準、日本の企業が直面する課題!

厚生労働省の「派遣労働者に関する実態調査」結果によれば、日本の労働市場において派遣労働が重要な役割を担っていることが明らかになりました。

調査された事業所の約12.3%で派遣労働者が働いており、この中で大多数の事業所が派遣労働者への教育訓練や能力開発を実施しています。このことから、多くの企業が派遣労働者のスキル向上や労働力としての質の確保に注力していることが伺えます。

また、派遣労働者の年齢層は中高年が多く、平均年齢が44.3歳であることから、経験豊富な労働力としての活用が見られます。一方で、派遣労働者の多くが「一般事務」などの職種に従事しており、このことは派遣労働が一部職種に集中している可能性を示唆しています。

賃金に関しては、「1,250円から1,500円未満」が最も多く、平均賃金は1,510円であることから、派遣労働者の給与水準は比較的低い範囲にあることが分かります。これは、派遣労働者が経済的な困難に直面している可能性を示しており、賃金の改善が必要かもしれません。

さらに、今後の働き方に関しては、派遣労働者の約3分の1が派遣として働き続けたいと答えている一方で、約37.0%が派遣以外の雇用形態で働きたいと考えています。これは、労働市場における派遣労働の持続可能性や安定性に対する懸念を示しているとも解釈できます。

総じて、この調査結果は、日本の労働市場における派遣労働の現状と課題を浮き彫りにし、企業や政府が派遣労働者の働きやすい環境の確保に向けた対策を講じる必要があることを示唆しています。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ