2025年3月3日
労務・人事ニュース
海外インフラ技術者14名が国土交通大臣賞受賞!国際プロジェクトで活躍した日本人技術者の功績を表彰
2024年度 海外インフラプロジェクト優秀技術者14名に表彰状 ~表彰式や受賞者インタビューの模様をYouTubeで公開予定~(国交省)
令和7年2月18日、国土交通省は「2024年度 海外インフラプロジェクト優秀技術者」の表彰を行い、14名の技術者に対し、国土交通大臣賞および国土交通大臣奨励賞が授与された。この表彰制度は、海外インフラプロジェクトに従事する日本人技術者の功績を認定し、その優れた技術力やリーダーシップを評価することを目的としている。今年度は、11名が国土交通大臣賞を受賞し、3名が国土交通大臣奨励賞を受賞した。表彰式は2月13日に国土交通省内で開催され、対面とオンラインのハイブリッド形式で実施された。
今回の表彰は、海外インフラプロジェクトの発展に貢献した技術者を顕彰するだけでなく、国内の技術者が海外で活躍する機会を広げることを目的としている。表彰を受けた技術者の実績は、国土交通省が発注する工事や業務の入札において評価対象となる。これにより、海外プロジェクトで培った技術力が国内の事業にも活かされる環境が整えられることになる。
表彰式では、廣瀬昌由技監が中野洋昌国土交通大臣の祝辞を代読し、受賞者の努力と貢献を称えた。また、海外インフラプロジェクト技術者評価委員会の小澤一雅委員長(政策研究大学院大学教授)からも祝辞が述べられた。受賞者を代表してスピーチを行った技術者は、「海外のプロジェクトで得た経験を今後の業務にも活かし、さらなる技術革新に貢献していきたい」と述べ、今後の抱負を語った。
国土交通省が運営する「海外インフラプロジェクト技術者認定・表彰制度」は、海外での建設やインフラ整備に携わる技術者のキャリアを支援し、国内外の技術者の相互活用を促進するために導入された。この制度は2019年に創設され、今年度で5回目を迎えた。2024年度の認定・表彰に向けた申請は、2024年7月1日から8月31日まで受け付けられ、その後、海外インフラプロジェクト技術者評価委員会による審査が行われた。評価では、技術者が関与したプロジェクトの規模や技術的課題への対応、現地関係者との協力体制などが総合的に審査された。
表彰の対象となるプロジェクトは、道路、鉄道、港湾、空港、エネルギー、上下水道などの幅広い分野に及ぶ。今年度の受賞者は、ベトナム、インド、ラオス、カンボジア、コートジボワール、インドネシア、ルワンダ、シンガポール、ミャンマー、ケニアなど、世界各国でのプロジェクトに従事してきた技術者である。彼らは、それぞれの国でインフラ整備を支援し、日本の技術力を世界に示してきた。
具体的な受賞者のプロジェクトとしては、ラオスのナムニアップ水力発電所建設、カンボジアの国道5号線改修事業、インドのバラナシ国際協力コンベンションセンター建設、コートジボワールのアビジャン港穀物バース建設、シンガポールの地下鉄トムソン線工事、インドネシアのジャカルタ首都圏LRT施工監理などが挙げられる。これらのプロジェクトでは、高度な技術とマネジメント能力が求められ、受賞者はそれぞれの現場で優れたリーダーシップを発揮してきた。
国土交通省は、この表彰制度を通じて、海外での実績を持つ技術者が国内でも評価される仕組みを構築している。受賞者の実績は、公共工事の入札時において、技術評価の一環として活用される。この制度の導入により、日本の技術者が国際的なプロジェクトに参加する意義が高まり、国内企業の海外展開を後押しする効果も期待されている。
また、国土交通省は今回の表彰式の模様を記録し、公式YouTubeチャンネル「国土交通省MLIT channel」にて後日公開予定である。さらに、受賞者のインタビューやプロジェクトの詳細を紹介するパンフレットも作成される予定だ。これにより、技術者の功績を広く紹介し、今後のインフラ事業における人材育成にも寄与することが期待される。
日本の建設業界は、グローバル市場での競争が激化する中、高度な技術を持つ人材の育成と確保が不可欠となっている。国土交通省は、こうした状況に対応するため、海外プロジェクトの実績を国内市場でも評価することで、技術者の活躍の場を広げていく考えだ。今後もこの制度を継続・発展させることで、日本の建設技術が世界で活躍できる環境を整備していく方針である。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ