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2024年11月15日

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消費者マインドに慎重さが浮き彫りに:10月の消費者態度指数36.2に低下

消費動向調査(令和6年10月実施分)(内閣府)

2024年10月の消費動向調査によると、消費者態度指数が前月比で0.7ポイント低下し36.2に達し、消費者マインドに足踏み状態が見られました。具体的には、二人以上の世帯を対象としたこの調査では、生活全般に対する意識が多角的に分析されています。「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」などの指標が消費者態度指数を構成しており、10月における各指標の動向は、いずれも減少傾向を示しました。生活に対する意識である「暮らし向き」は34.2となり、前月比で0.2ポイント低下しました。また、「収入の増え方」も0.7ポイント下落して39.4、「雇用環境」も0.6ポイント減少し41.6にとどまりました。特に、「耐久消費財の買い時判断」は1.3ポイント低下し、29.7と低い水準となっており、消費者が高額な買い物を控える傾向がうかがえます。一方で、「資産価値」に関する意識は2.7ポイント上昇し、42.9と比較的良好な見通しが示されました。

消費者のマインドは、雇用環境や収入に対する期待がやや低下した一方で、資産価値が上向き傾向を見せるなど、混在した結果となっています。基調判断では、全体として「改善に足踏みが見られる」とされ、9月と同じく据え置かれました。これらの結果は、景気の先行きが不透明な中で、消費者が慎重な姿勢をとっていることを反映しています。

加えて、物価に対する予想も重要なポイントです。調査によると、2024年10月時点での消費者は「1年後の物価が上昇する」と考えている人が93.2%に上り、前月からもほぼ変動はなく、安定したインフレ期待が続いています。特に、「5%以上の上昇」を予想する回答が47.9%と、前月から0.1ポイント増加しており、消費者の大多数が物価の上昇を予想しています。逆に「物価が下がる」と回答した人は全体の1.9%にとどまっており、物価の下落を見込む声は少数派にとどまっていることがわかります。

消費者態度指数の各指標をさらに詳しく見ると、「暮らし向き」に関しては、「良くなる」と答えた割合は0.5%、「やや良くなる」は4.0%にすぎず、約43%が「変わらない」とし、36.9%は「やや悪くなる」、16.1%は「悪くなる」と答えました。これにより、消費者の生活への不安が見え隠れします。「収入の増え方」に対する回答では、「良くなる」と答えたのはわずか0.4%、「やや良くなる」は5.3%でしたが、約6割が「変わらない」と答え、21.0%が「やや悪くなる」、13.7%が「悪くなる」と見込んでいます。また、「雇用環境」に関しては、「良くなる」と見込む割合は0.3%、「やや良くなる」は8.1%でしたが、57.8%は「変わらない」とし、残りは「やや悪くなる」もしくは「悪くなる」と回答しています。

耐久消費財の買い時判断は特に消費者にとって難しい判断材料となっています。この指標に対し、「良い時期」と答えた割合は非常に低く0.2%に過ぎず、2.8%が「やや良い時期」としていますが、半数近くの48.5%が「やや悪い時期」、18.5%が「悪い時期」と答えており、消費者が耐久消費財の購入を先送りする傾向が強いことがわかります。

一方で、「資産価値」についての見通しはやや楽観的です。「増える」と回答したのは0.6%、「やや増える」とした人は10.6%で、合わせて11.2%の人が資産価値の上昇を見込んでいることになります。約58.4%は「変わらない」と考え、9.6%は「減る」と予想しているにとどまりました。このことは、資産の保有や運用に対する消費者の期待が高まっている一方で、日常的な消費活動には慎重であることを示唆しています。

企業にとって、これらの消費者マインドの変化は、今後の市場戦略や商品開発の方向性に大きな影響を与える可能性があります。消費者の生活意識や物価への期待が冷え込みつつある現状は、短期的な購買行動にも影響を与えると考えられます。消費者が生活や収入、雇用環境に対して慎重な姿勢を見せているため、企業としては、消費者の購買意欲を刺激する施策を検討する必要があるでしょう。例えば、消費者が求める高い価値を提供することで、資産価値の維持や増加を支援しつつ、日常の消費を促進するようなアプローチが求められます。

また、物価の上昇が続く中、消費者が「コストパフォーマンス」を重視する傾向は今後ますます強まると考えられます。企業は、価格面での柔軟な対応や、耐久消費財に対する需要の冷え込みに対して耐久性や機能性の高さをアピールすることが求められます。特に、今後の物価上昇への懸念が強まる中、消費者が長期的に満足を得られる商品を提供することで、購買意欲を引き出すことが戦略的に重要となるでしょう。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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