2024年3月14日
労務・人事ニュース
深刻化する介護施設の人手不足と夜勤問題
9割の介護施設で2交替制の夜勤を実施/日本医労連「2023年介護施設夜勤実態調査」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)
日本全国の介護施設で夜間に働くスタッフの現状について、日本医労連が2023年に行った調査で、気になる結果が出ました。この調査によると、約9割の介護施設が16時間以上の長い時間働く「2交替制夜勤」を取り入れています。特に多いのは、グループホームや小規模多機能型居宅介護施設で、ここでは働く人たちが一晩中、ひとりで勤務することが多いようです。
調査は、日本医労連に属する様々な種類の介護施設124ヶ所から、総数3,332人の職員の声を集めました。結果からは、2交替制夜勤を実施する施設のほとんどが長時間労働を強いられていることが分かります。実際、これらの施設の87%が16時間以上の勤務をしていると答えています。
さらに、多くの施設では、月に何回も夜勤があるにもかかわらず、職員が1人で全てを管理しなければならない状況が続いています。このような厳しい勤務環境は、職員の健康や生活の質にも悪影響を及ぼしています。
3交替制夜勤を実施する施設では、1ヶ月に夜勤が6日以下の所が半数を超えていますが、2交替制夜勤の場合は、その数が大幅に増えており、特にグループホームや単独型短期入所施設では多いという結果が出ています。夜勤の多さに加え、適切な休憩を取れない環境も問題です。調査によれば、約36%の施設には仮眠室が設置されておらず、特に小規模施設でその割合が高いという事実が明らかになりました。
この厳しい労働環境に対し、日本医労連は改善の必要性を訴えています。介護現場の職員が減らないようにするためには、給与の引き上げや勤務条件の改善が不可欠であると指摘しています。現在の介護業界は人手不足が深刻で、働く人々が健康的に、かつ継続的に職に就くためには、夜勤の条件を見直し、支援を強化することが求められています。