2024年8月14日
労務・人事ニュース
滋賀県の有効求人倍率が0.99倍に上昇!
一般職業紹介状況(令和6年6月分)について(滋賀労働局)
滋賀労働局の最新の発表によると、令和6年6月の滋賀県の雇用情勢は、全国的なトレンドと同様に一部で改善が見られるものの、依然として厳しい状況が続いています。特に、有効求人倍率や新規求人倍率の動向が注目されており、これらの指標から見えてくる企業側と求職者側の状況を詳しく解析してみましょう。
まず、有効求人倍率は0.99倍と、前月よりもわずかに0.01ポイント上昇しましたが、これは3か月ぶりの上昇にあたります。有効求人倍率とは、求職者数に対する求人数の割合を示すもので、この数値が1倍を下回る場合、求職者が多く求人が少ないことを意味します。0.99倍という数値は、雇用市場において若干の供給不足が続いていることを示しています。
一方、新規求人倍率は1.77倍で、前月比で0.13ポイント上昇しました。これは、2か月ぶりの上昇を示しており、新規求人の増加が見られます。しかし、業種によっては大きな差があり、特に製造業や宿泊業、飲食サービス業では引き続き求人が減少傾向にあります。製造業の新規求人は前年同月比で21.7%減少しており、これに続くのが宿泊業、飲食サービス業で16.4%の減少を記録しています。
また、有効求人数は22,555人と前月比で1.6%の増加が見られましたが、これは2か月連続の増加となります。しかし、全体的に見ると、求人市場は依然として低迷しており、特に正社員の有効求人倍率は0.73倍と、10か月連続で前年同月比よりも低下している点が懸念されています。このデータは、正社員の求人が少なく、求職者が多い状況を反映しています。
次に、新規求職者数についてですが、令和6年6月の数値は4,470人で、前月比7.9%減少しました。これにより、3か月ぶりに減少傾向となっています。この減少は特にパートを除く常用の新規求職申込者数に顕著で、前年同月比で9.2%の減少となっています。特に在職者や自己都合離職者の減少が目立ち、企業の人手不足感は依然として続いています。
地域別の雇用情勢を見てみると、滋賀県全体では近畿平均よりも低い数値が続いています。滋賀県の有効求人倍率は0.99倍にとどまっていますが、これは全国平均の1.23倍と比較しても低い水準です。また、地域別に見ると、彦根や草津などの都市部では比較的高い有効求人倍率を記録している一方で、地方部では求人倍率が低迷していることがわかります。これらのデータは、地域ごとの産業構造や人口動態の違いを反映しており、地域別に異なる対策が必要であることを示唆しています。
特に、製造業が多い地域では求人が減少している一方で、サービス業や医療・福祉分野では求人が増加している傾向が見られます。例えば、生活関連サービス業や娯楽業では前年同月比で19.5%の増加を記録しており、医療・福祉分野でも6.0%の増加が見られます。これらの分野では人手不足が顕著であり、求人が活発化していることがうかがえます。
一方、非正社員の求人についても注目する必要があります。非正社員求人は前年同月比で10.2%減少し、その中でもパートタイムの求人が8.2%減少しています。非正社員求人が減少する一方で、正社員の求人割合は44.2%と、前年同月よりも1.4ポイント上昇しています。これは、企業がより安定した雇用を求めていることを示しており、正社員採用へのシフトが進んでいる可能性があります。
また、新規求人数の内訳を見てみると、正社員求人が全体の44.2%を占めており、非正社員求人の割合がやや減少しています。正社員の有効求人倍率は0.73倍で、前年同月比で0.04ポイント低下しており、依然として求人が求職者数に対して不足している状況です。このような状況から、企業にとっては優秀な人材を確保することが一層困難になっていることがうかがえます。
総じて、滋賀県の雇用市場は一部で回復傾向が見られるものの、依然として厳しい状況が続いています。特に製造業や宿泊業、飲食サービス業などでは求人が減少しており、地域ごとの産業構造や労働市場の動向を考慮した対策が求められています。今後も、地域ごとの特色を活かした雇用対策が重要であり、企業側にも柔軟な採用戦略が求められるでしょう。
⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ