労務・人事ニュース

令和６年 障害者雇用状況の集計結果（滋賀労働局）

令和6年、滋賀労働局は県内企業および公的機関における障害者雇用状況の最新集計結果を公表しました。この発表により、障害者の雇用促進が引き続き進展していることが確認されました。特に民間企業では、雇用されている障害者数と実雇用率が共に過去最高を記録しました。一方で、一部の企業や機関では法定雇用率に達していない状況も明らかとなり、さらなる取り組みが求められています。

民間企業における障害者雇用は、前年に比べて9.8%の増加が見られ、総数は4090.5人に達しました。身体障害者、知的障害者、精神障害者いずれのカテゴリーでも増加が確認され、特に精神障害者の雇用数は32.6%の増加を記録しています。これに伴い、実雇用率も2.66%に達し、全国平均の2.41%を上回る結果となりました。また、法定雇用率を達成した企業の割合は54.1%と、全国平均の46.0%より高い水準にある一方で、前年よりも5.1ポイント減少しています。

企業規模別に見ると、全ての規模で雇用されている障害者数と実雇用率が向上しましたが、法定雇用率の達成率では、500人以上規模の企業でのみ前年を上回る結果となりました。また、産業別では、医療・福祉、卸売業・小売業、製造業などで特に顕著な雇用増加が見られ、医療・福祉分野では実雇用率が4.56%と法定雇用率を大幅に上回る成果を上げています。

一方、公的機関における障害者雇用も着実に進展しており、滋賀県の機関では実雇用率が2.97%に達し、法定雇用率を上回りました。また、教育委員会でも2.91%の実雇用率を記録し、法定雇用率を達成しています。しかし、市町村や独立行政法人の一部では未達成機関が存在し、法定雇用不足数は合計90人に上ります。

こうした状況を踏まえ、滋賀労働局では障害者雇入れ計画の作成や適正な実施を指導するほか、法定雇用率の達成が特に遅れている企業に対して特別指導を行うなど、雇用促進策を強化しています。令和5年度には219社に障害者雇入れ計画の作成命令を発出し、63社に対して適正実施を勧告、33社に特別指導を実施しました。

このように、滋賀県内の障害者雇用は全体として前進している一方で、未達成企業の増加や一部の分野における課題も浮き彫りになっています。特に、未達成企業の中でも障害者を一人も雇用していない企業の割合が55.7%と高い点が課題となっており、こうした企業への支援や意識改革が急務です。

障害者雇用を進めるためには、企業や公的機関が障害者の能力を十分に引き出し、活躍できる環境を整えることが重要です。特に、企業規模や業種ごとの特性を考慮した取り組みが求められます。滋賀労働局では、障害者雇用促進法に基づき、地域ごとの課題に対応した支援策を強化し、障害者が社会で自立し、働きがいを持てる社会を目指しています。

⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ