2025年3月9日
労務・人事ニュース
災害時のペット保護!飼い主が知らない弾性包帯の活用法
ペット防災の新常識!犬の足を守る弾性包帯の効果とは?
災害が発生した際、ペットを守ることは飼い主にとって大きな課題の一つとなる。特に地震や洪水、火災などで避難を余儀なくされた場合、飼い犬の足を保護することは重要である。瓦礫が散乱する道路や、破片が落ちている避難所では、犬の肉球が傷つく危険がある。通常、犬用の靴を使用することが望ましいが、災害時には用意が間に合わないこともある。そのような緊急時に活用できる方法として、警視庁警備部災害対策課が提案しているのが「弾性包帯を活用した犬の足の保護」である。
弾性包帯は、通常、捻挫や打撲の応急処置に使用される伸縮性のある包帯で、薬局などで手軽に入手できる。この包帯を活用することで、犬の足を一時的に保護し、怪我を未然に防ぐことが可能となる。犬用の靴と違い、サイズ調整が容易であり、特別な器具も必要ないため、非常時の応急処置として役立つ。実際に警視庁の職員が試したところ、巻かれた犬も違和感なく歩くことができたという。
この方法の大きな利点の一つは、犬にとって違和感が少ない点である。犬用の靴は、最初は慣れないため嫌がることが多い。しかし、弾性包帯は柔らかく足にフィットするため、比較的受け入れやすい。また、伸縮性があるため、足の動きを妨げることなく自然な歩行が可能である。特に、災害時の混乱の中で迅速に対処する必要がある場合、手軽に巻ける弾性包帯は有効な手段となる。
災害時には、道路が損壊していたり、破片やガラスが散乱していたりすることが多い。特に地震や台風の後では、通常の散歩道が危険な状態になっている可能性が高い。犬の肉球はとてもデリケートで、小さなガラス片や鋭利な石でも簡単に傷がついてしまう。そのため、避難の際には、事前に足を保護しておくことが重要である。弾性包帯を巻くことで、足裏にクッション性を持たせることができ、直接的なダメージを防ぐことができる。
また、寒冷地での避難の際には、低温による凍傷のリスクもある。雪や氷の上を歩くことで肉球が冷えてしまい、凍傷を引き起こす可能性がある。弾性包帯を巻くことで、足裏を適度に保温し、冷えから守ることができる。このため、冬季の避難対策としても非常に有効な方法である。
さらに、災害時には慣れない環境での移動が求められることが多い。避難所に向かう途中では、長距離を歩くことになる可能性があり、犬の足への負担も大きくなる。特にアスファルトの道路は夏場には高温になり、犬の肉球を火傷させる原因となる。弾性包帯を使用することで、こうした熱からも保護することができる。夏場の避難時には、冷却効果のあるジェルパッドを包帯の中に入れると、より効果的に足を守ることができる。
一方で、弾性包帯を使用する際には注意点もある。巻き方がきつすぎると、血流が悪くなり、犬が違和感を覚えることがある。適度な締め付けを意識しながら巻くことが重要であり、何度か試して適切な巻き方を習得しておくことが望ましい。また、長時間巻いたままにしておくと、蒸れや不快感を生じることがあるため、定期的に外して状態を確認することが必要である。
避難時には、弾性包帯以外にも、柔らかい布やガーゼなどを活用することで同様の効果を得ることができる。特に応急処置として、濡れタオルを足に巻いた後にビニール袋で覆い、テープで軽く固定する方法もある。これにより、一時的に足を保護することが可能となる。ただし、ビニール袋は蒸れやすいため、長時間の使用は避けた方が良い。
飼い主としては、事前にこうした方法を試しておき、犬が慣れるようにしておくことも大切である。日常的に練習しておくことで、いざという時にスムーズに対応できる。また、災害時には犬もストレスを感じやすく、パニックを起こすこともあるため、落ち着かせながら丁寧に対応することが求められる。
犬を飼っている人にとって、ペットは家族の一員であり、非常時にも安全を確保することが最優先事項となる。ペット用の防災対策として、食料や水の備蓄に加え、足の保護対策も計画に入れておくことが重要である。弾性包帯を非常用バッグに入れておくだけで、万が一の際に迅速に対応することができる。簡単に手に入り、使い方もシンプルな弾性包帯は、犬の安全を守るための実用的なアイテムとして、今後ますます注目されるだろう。
⇒ 詳しくは警視庁警備部災害対策課のXアカウントへ