労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 無人飲食施設の新基準、衛生リスク管理強化で営業を支援

2024年11月15日

労務・人事ニュース

無人飲食施設の新基準、衛生リスク管理強化で営業を支援

第8回 食品の営業規制の平準化に関する検討会 資料 【資料1】従業者が常駐しない施設に対する施設基準の適用について(厚労省)

この基準の見直しにあたっては、食品衛生法に基づき、飲食に関連する衛生上のリスクを防ぎ、国民の健康保護を図るという法律の目的が中心に据えられています。これは、食品が外部からの汚染を受けないようにすることを主眼に置き、適切な基準が求められるという原則に基づいています。特に、無人の施設においては、従来の施設基準を適用する上で一定の調整が必要であり、機器が代替することが可能な部分については、その代替機能に対する新たな基準設定が求められます。

具体的な検討内容において、全自動調理機器の導入が可能になっている施設での営業形態が増え、従業者が常駐せずとも飲料の提供を自動化することが可能となりました。これは、例えば全自動のコーヒーマシンなどが導入されるケースで、カメラによる監視や異常時の販売停止機能などが備わっているため、一定の安全性が確保されている状態とされています。また、日常的に行われる清掃やメンテナンスも、毎日1回、定期的に人員が対応しており、無人化によるリスク管理を強化しています。

全自動調理機の導入による営業形態の実態を踏まえ、施設基準の見直しが行われており、現状では、飲料の提供以外の食事提供を完全無人で行うことはない状況です。無人の施設においては、自動販売機と同等以上の安全基準を備えた全自動調理機の使用が求められます。このため、今後の技術発展に応じて柔軟に対応できるよう、基準のアップデートが必要です。

施設基準においては、従業者が不在であることから、従来の「目視確認」や「感覚的確認」といった手法に代わる設備が求められます。例えば、衛生状態の確認には監視カメラの設置が求められ、異常が発生した際には自動で営業停止を行う設備が必要とされています。加えて、食品の温度管理や保存についても、従来の従業者による管理に代わり、温度センサーや異常時の自動停止機能などが求められます。これにより、安全性が担保できない場合には、即座に営業を停止する対応が可能となっています。

従業者の常駐を前提としない施設においては、食品の安全管理を維持するための技術的なサポートが非常に重要です。例えば、保管庫には外部からの汚染を防ぐ機能が求められ、また、一定時間経過後に自動廃棄するシステムも導入される必要があります。この機能は、食品が衛生的に保管され、長時間放置されて菌が繁殖するリスクを防ぐ役割を果たします。

施設基準の各要件において、施設の汚染防止や廃棄物の管理などが挙げられています。例えば、床や内壁、天井は、簡単に清掃や消毒ができる素材を使用することが推奨されています。また、食品を取り扱うエリアには換気が行き届いた構造が求められ、結露による汚染を防ぐ設備も必要です。さらに、飲用可能な水が供給できる設備を設置することや、手指の衛生管理のための流水式手洗い設備を備えることも必須です。

従業者が常駐しない施設の適切な衛生管理を支えるためには、温度管理が可能な冷蔵・冷凍設備、害虫防止のための装置、十分な排水機能を備えた排水設備などが必要です。また、廃棄物の容器には、不浸透性と十分な容量が求められ、これにより施設内での衛生状態の確保がなされます。

無人施設で使用される機械器具には、耐水性と洗浄のしやすい構造が求められます。固定された機械であっても、清掃がしやすく、異常が発生した際に分解清掃が可能であることが推奨されます。機械器具の衛生維持を確保するためには、温度計や圧力計などが必要で、これにより機器の状態を随時確認し、衛生リスクを管理します。また、作業場には専用の清掃道具と、その保管場所が設置される必要があり、作業内容が理解しやすいよう掲示する設備も推奨されています。

このように、無人の飲食施設においては、各種設備や機器が従業者の役割を補う形で衛生管理の機能を果たすことが求められます。施設基準の厳守は、衛生リスクの管理だけでなく、消費者の信頼にもつながり、無人施設の広範な導入を可能にします。無人施設が増加することで、効率的な人員配置が可能になり、全自動化による運営コストの低減も期待されていますが、それを実現するためには、技術と規制の両面からの支援が欠かせません。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ