2025年2月8日
労務・人事ニュース
熊本県の外国人労働者が21,437人に増加!前年比3,211人増で過去最高を更新 令和6年10月末時点
令和6年「外国人雇用状況」の届出状況集計結果(熊本労働局)
熊本労働局が発表した最新の外国人雇用状況の統計によると、令和6年10月末時点で熊本県内の外国人労働者数は21,437人に達し、前年と比較して3,211人増加しました。この数値は平成19年に届出制度が義務化されて以降、過去最高を記録しています。対前年増加率は17.6%であり、前年の25.5%から7.9ポイント低下しました。一方で、外国人を雇用する事業所数は3,982カ所となり、前年比404カ所増加しています。これもまた、届出義務化以来の最高数となり、対前年増加率は11.3%で、前年の12.2%から0.9ポイント減少しました。
国籍別に見ると、熊本県内で最も多い外国人労働者はベトナム出身者で6,259人、全体の29.2%を占めています。次いでフィリピンが3,162人(14.8%)、インドネシアが2,890人(13.5%)となっています。その他、中国(1,944人)、ネパール(1,228人)、ミャンマー(1,776人)などの国々からも多くの外国人労働者が働いています。
在留資格別では、「技能実習」が最も多く10,758人(50.2%)を占めており、前年比1,269人(13.4%)増加しました。「専門的・技術的分野の在留資格」は6,945人(32.4%)で、前年比1,645人(31.0%)増加し、「身分に基づく在留資格」は1,990人(9.3%)で前年比118人(6.3%)増加しました。一方、「資格外活動」に該当する外国人労働者は1,235人で、前年比190人(18.2%)増加し、「特定活動」は509人と前年より11人(2.1%)減少しました。
熊本県内の外国人労働者を雇用する事業所の分布を公共職業安定所別に見ると、熊本公共職業安定所(33.3%)、八代公共職業安定所(18.3%)、玉名公共職業安定所(13.5%)、菊池公共職業安定所(13.3%)の順となっています。この4つの安定所で全体の約78%を占めており、熊本県内での外国人雇用の中心地となっています。
産業別では、「農業、林業」が最も多く、全体の31.1%を占めています。次いで「建設業」が14.0%、「製造業」が12.9%、「卸売業、小売業」と「医療、福祉」がそれぞれ10.0%となっています。これにより、熊本県の外国人労働者は農業や建設業などの労働集約的な分野に従事する割合が高いことがわかります。
事業所規模別に見ると、「30人未満」の事業所で外国人労働者を雇用している割合が最も高く、全体の69.9%を占めています。「30~99人」の事業所では16.9%、「100~499人」の事業所では10.1%、「500人以上」の大規模事業所では1.8%という結果となっています。これにより、中小規模の企業が多くの外国人労働者を受け入れていることが明らかになりました。
外国人労働者の在留資格と産業の関係を見ると、「技能実習」に従事する労働者のうち36.0%が「農業・林業」に、31.4%が「製造業」に従事しています。「専門的・技術的分野の在留資格」を持つ労働者は「製造業」(29.7%)、「農業・林業」(16.5%)、「卸売業・小売業」(12.0%)に多く配置されています。「特定技能」の在留資格を持つ労働者は、「製造業」(22.9%)、「農業・林業」(30.1%)、「サービス業」(20.3%)に集中しています。
外国人労働者の増加が進む中で、熊本県内では雇用管理の適正化や技能実習生の待遇改善などが課題となっています。また、「特定技能」制度を活用した新たな雇用促進策や、専門的・技術的分野における外国人雇用の拡大も進められています。
企業の採用担当者にとって、今後の外国人労働者の採用戦略を考える上で、これらのデータを活用することは非常に重要です。特に、中小企業では「技能実習」や「特定技能」の枠組みを活用し、長期的な人材確保を視野に入れることが求められています。
⇒ 詳しくは熊本労働局のWEBサイトへ