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2025年2月18日

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熊本県内の求人倍率2.89倍!企業の採用戦略が問われる最新動向(令和6年12月時点)

県内新規高等学校卒業予定者の職業紹介状況(令和6年12月時点)熊本労働局

熊本労働局が発表した最新のデータによると、令和7年3月に県内の新規高等学校卒業予定者を対象とした職業紹介の状況が明らかになった。これによると、求職者数や求人数、就職内定率などの指標に変化が見られ、県内の労働市場の動向が浮き彫りになっている。

全体の求職者数は前年と比較して1.5%増加し、そのうち県内を希望する求職者は0.4%増となった。一方で、県内の求人数は前年比3.0%の増加となり、求人倍率は2.89ポイントと依然として高水準を維持している。これにより、求職者に対して一定の雇用機会が提供されているものの、求人側と求職者側のマッチングが課題として浮上する。

県内での就職内定者数は前年と比較して3.2%の増加を記録し、全体の就職内定率は2.5ポイント上昇した。しかし、県内での就職内定割合は前年より0.7ポイント低下しており、県外就職を選択する学生が増えている傾向が見られる。特に、県内希望の求職者の就職内定割合は16.7%減少しており、地域内での雇用機会の確保が一層求められる状況となっている。

業種別の求職・求人状況を分析すると、建設業や製造業では依然として求人数が多く、高い就職率を維持している。一方で、情報通信業や生活関連サービス業では求人数が減少しており、雇用機会の縮小が懸念される。また、宿泊業や飲食サービス業では求人が増加傾向にあるが、就職希望者数とのバランスが取れていないため、人手不足が深刻化する可能性がある。

職種別に見ると、技能工や製造業関連の職種では就職率が高く、全体の求人数も安定している。しかし、事務職や販売職に関しては求人数の増加がある一方で、就職内定率の上昇は限定的となっている。特に、介護サービス職の就職希望者数は減少しており、将来的な人材不足が懸念される。

企業規模別の状況を比較すると、従業員1,000人以上の大企業では求人が前年比83.9%増加し、県内就職内定者数も56.6%増加している。これに対し、従業員30~99人の中小企業では求人が3.0%減少し、就職内定者数も3.1%減少している。これは、大企業が積極的に人材採用を進める一方で、中小企業が採用を抑制する動きがあることを示している。

今回の調査結果から、熊本県内の労働市場では全体的に求人が増加しているものの、求職者と求人のマッチングが依然として課題であることが分かる。また、県外就職を選択する若者が増えている点も地域経済の観点からは懸念材料であり、県内企業がより魅力的な雇用環境を整える必要がある。特に、成長産業における求人増加と、人手不足が深刻化する業種での雇用対策が今後の大きな課題となる。

⇒ 詳しくは熊本労働局のWEBサイトへ