2024年10月21日
労務・人事ニュース
特定本邦航空運送事業者の遅延率が微増、欠航率は減少—令和6年度第1回情報公開
航空輸送サービスに係る情報公開(令和6年度第1回)(国交省)
令和6年10月11日に、国土交通省航空局が令和6年度第1回の航空輸送サービスに関する情報公開を発表しました。この発表では、令和6年4月から6月までの間における特定本邦航空運送事業者の遅延率や欠航率などの運行実績が報告され、国内の航空輸送における現状を明らかにしています。
令和6年4月から6月にかけての全体的な遅延率は11.52%で、前年度同期の11.51%と比べ0.01ポイントのわずかな増加が見られました。一方で、欠航率は0.90%となり、前年度の0.96%から0.06ポイント減少しています。このような数値から、遅延は微増したものの、欠航の発生はわずかに減少していることがわかります。こうしたデータは、航空業界における運行の安定性を測る指標として重要です。
この情報公開の目的は、航空会社間の競争状況を確認し、利用者がより適切な航空会社や便を選択できるよう、事業運営の透明性を高めることにあります。航空利用者にとって、遅延や欠航といった運行状況は重要な判断材料であり、これを定期的に公表することで、利用者が安心して航空サービスを選択できるような環境づくりが進められています。
今回の情報公開では、特定本邦航空運送事業者として、国内定期航空運送事業を行う日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)、日本トランスオーシャン航空(JTA)、スカイマーク(SKY)、AIRDO(ADO)、ソラシドエア(SNJ)、スターフライヤー(SFJ)、Peach Aviation(APJ)、ジェットスター・ジャパン(JJP)、およびスプリング・ジャパン(SJO)などが含まれています。これらの航空会社に関する遅延率や欠航率、運賃設定状況が詳細に報告されています。
航空会社ごとの運賃設定については、令和6年4月から6月のデータが公開されています。たとえば、代表的な路線である羽田から山口宇部への便においては、航空会社によって割引運賃や運賃の変動が異なっており、利用者に多様な選択肢が提供されています。45日前割引運賃を例に挙げると、ANAが22,880円、JALが23,980円、スターフライヤー(SFJ)が21,700円と、各社が異なる価格設定を行っています。
また、運行の遅延や欠航の原因についても分析されており、天候、機材の故障、機材繰りといった要因が挙げられています。機材繰りとは、前の便の遅延が後続便にも影響を与えるケースを指します。このような詳細な情報公開により、利用者は自分にとって最適な航空会社や便を選ぶための有用な情報を得ることができます。
運行実績として、特に遅延が多く見られたのは夏季の沖縄路線などで、台風の影響を受けやすいことが報告されています。また、冬季には北海道などの北国の路線で積雪の影響を受けやすく、季節ごとの特性が運行に影響を与えることが示されています。これに対し、欠航率は総じて低下傾向にあり、特に機材繰りによる欠航は減少しています。
航空輸送サービスにおける透明性の向上は、利用者の満足度を高めるための重要な要素であり、国土交通省は今後も定期的にこうした情報を公開し、航空業界の競争力向上を図る方針です。報道資料には発表時点のデータが含まれていますが、内容は随時更新される可能性があるため、最新情報は国土交通省の公式ウェブサイトで確認することが推奨されています。
このように、航空輸送サービスに関する情報公開は、利用者にとって運行の信頼性や運賃の選択肢を広げるために非常に有益なものであり、今後も注目すべき取り組みの一つといえます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ