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2025年3月12日

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生活関連サービス等の平均月間実労働時間は121.4時間!前年比0.2時間減(毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報)

毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(厚労省)生活関連サービス等

令和6年の毎月勤労統計調査によると、生活関連サービス等の平均月間実労働時間は121.4時間で、前年比0.2時間の減少が確認された。このわずかな減少は、労働環境の改善が進む一方で、依然として業務量が多い業界であることを示している。生活関連サービス業は、美容、クリーニング、介護、娯楽、冠婚葬祭業など多岐にわたる職種を含んでおり、業態によって労働時間にばらつきがあるのが特徴である。

内訳を詳しく見ると、所定内労働時間は115.1時間で、前年比0.5時間の減少となった。この減少は、業界全体での労働時間の適正化や、従業員のワークライフバランスの改善に向けた取り組みが進んでいることを示している。特に、美容業界やクリーニング業界では、営業時間の見直しや業務の効率化が図られ、従業員の負担軽減が進んでいる。一方で、冠婚葬祭業や介護業界では、顧客対応や緊急対応が求められるため、所定内労働時間の削減が難しいケースも見られる。

一方、所定外労働時間(残業時間)は6.3時間で、前年比5.7%の増加が見られた。このデータから、生活関連サービス等の分野では、残業時間の増加が一部で進んでいることが分かる。特に、冠婚葬祭業や介護業界では、突発的な対応や長時間の接客業務が必要なため、残業時間が増える傾向にある。また、観光業の回復により、娯楽施設や宿泊業の業務量が増加したことで、一部の業種では労働負担が増えていることが影響している。

月間出勤日数については、16.7日で前年より0.1日減少している。この減少は、週休2日制の定着が進んでいることや、柔軟な働き方が導入されつつあることを示唆している。特に、美容業界やクリーニング業界では、従業員の健康管理の観点から、シフト制の見直しや、休日の確保に向けた取り組みが進められている。一方で、冠婚葬祭業や娯楽業では、繁忙期には休日が取りづらい状況が続いており、出勤日数の大幅な削減が難しいという課題もある。

企業の採用担当者にとって、このデータが示すポイントは、労働時間の短縮が進む中で、どのように業務の効率化と人材確保を両立させるかという点にある。生活関連サービス業は、接客業務が中心となるため、従業員の対応力やサービス品質が直接、企業の競争力に影響を与える。そのため、企業は従業員の働きやすさを向上させながらも、サービス品質の向上を図ることが求められる。特に、デジタル化や自動化の導入により、業務の効率化を進めることが重要となる。

また、今後の課題として、労働時間の短縮とサービスの質の維持をどのように両立させるかが求められる。特に、介護業界では、慢性的な人手不足が続いており、長時間労働が常態化しているケースも見られる。この問題を解決するためには、介護ロボットの導入や、デジタル技術を活用した業務の効率化が不可欠となる。また、美容業界やクリーニング業界では、オンライン予約システムの活用や、セルフサービスの拡充により、業務負担を軽減する動きが進んでいる。

今後の展望として、生活関連サービス業等は、ライフスタイルの変化やデジタル技術の発展により、大きな変革を迎える業界の一つである。特に、キャッシュレス決済の普及や、自動化技術の導入が進むことで、業務の効率化が加速すると考えられる。一方で、対面接客の重要性も引き続き求められるため、企業は、労働時間の適正化を進めながらも、顧客満足度の向上を目指すことが必要となる。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ