2025年1月24日
労務・人事ニュース
甲信越地方の景気動向、冬物衣料は好調も物価高が消費行動に影響(令和6年12月)
景気ウォッチャー調査(令和6年12月調査)― 甲信越(現状)―(内閣府)
令和6年12月に実施された甲信越地方の景気ウォッチャー調査の結果が明らかになり、地域経済の現状や課題が浮き彫りとなりました。今回の調査では、多岐にわたる業種で、需要動向や来客数の増減、消費行動の変化が報告されています。
葬祭業においては、葬儀の依頼数が急増し、遺品整理の依頼量も記録的な水準に達していることが注目されています。これにより、業界全体が活発化している様子が伺えます。一方で、百貨店業界では冬物衣料の販売が好調な一方で、食品や歳暮需要は依然として低迷しており、消費者の購買行動には厳しい側面が見られます。ターミナル駅の再開発が一段落し、客足が戻りつつあるとの報告もあるものの、物価高の影響が顕著です。
コンビニエンスストア業界では、近隣で新規出店が相次いでいるものの、寒さの影響で来客数が減少し、売上が伸び悩む状況が続いています。さらに、クリスマス商戦においては予約が減少し、価格高騰が売上に影響を及ぼしているとの声も上がっています。
飲食業界では、忘年会需要が前年より増加したとの好材料がある一方で、フリー客の減少が課題となっています。特に、飲酒運転取り締まりの強化が影響しているとの指摘もあり、これが常連客の減少につながっています。さらに、高級レストランや観光型旅館では、物価高や宴会需要の減少が大きな影響を与えており、特に企業や団体の宴会需要が大幅に減少している点が目立ちます。
観光業では、クリスマス前の豊富な積雪によるスキー場の早期オープンが集客にプラスの影響を与えたと報告されています。ただし、全体的には法人利用が増加する一方で、個人旅行客の動きは依然として鈍い状況が続いています。
製造業や小売業においては、物価高やエネルギーコストの上昇が顕著であり、消費者の購買意欲の低下が課題となっています。家電量販店では、冬物商品の売上は前年並みを維持しているものの、全体的な来客数は横ばいで、成長の兆しは見えません。一方、通信業界では、新規加入者数が微増し、前年よりも安定した結果を示しているものの、大きな改善とは言い難い状況です。
職業安定所からの報告によれば、新規求人数は年末にかけて減少傾向にあり、雇用の見通しは依然として不透明です。特に、製造業以外の業種では求人数の減少が顕著で、景気全体に対する不安が広がっています。
このように、甲信越地方の経済は一部で明るい兆しが見えるものの、全体としては物価高や消費低迷の影響が大きく、今後の改善にはさらなる取り組みが求められます。
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