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2025年2月19日

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石川県内 令和7年卒高校生の就職内定率94.3%、15年連続90%超の背景とは?(令和6年12月時点)

令和7年3月新規高等学校卒業者の就職内定状況等(令和6年12月時点)(石川労働局)

令和7年3月に卒業予定の石川県内の新規高等学校卒業生の就職内定率は、令和6年12月末時点で94.3%となり、15年連続で90%を超える高水準を維持している。このデータは石川労働局がまとめたもので、県内全ての高等学校や特別支援学校高等部の生徒を対象に、学校やハローワークを通じた職業紹介の状況を集計したものである。ただし、公務員試験を受ける生徒や縁故就職を希望する生徒は含まれていない。

就職希望者の総数は1,464人で、前年同期比で2.2%増加した。一方、就職内定者は1,380人となり、こちらも1.6%の増加が見られる。しかし、内定率自体は前年同月比で0.5ポイント低下した。これは全国的な求人動向の変化や、一部業界における採用の停滞が影響している可能性がある。

県内企業からの求人数は6,265人で、前年同期比2.2%の増加を記録。求人倍率は4.28倍と、高水準を維持している。これは、求職者1人に対して4件以上の求人があることを示しており、企業側の採用意欲が引き続き旺盛であることを意味する。ただし、業界ごとに状況は異なり、一部の職種では人材確保が難航しているケースもある。

男女別に見ると、就職希望者のうち男性が902人、女性が562人だった。就職内定者は男性が854人、女性が526人となり、内定率は男性が94.7%、女性が93.6%だった。男女間で大きな差はないものの、若干男性の方が内定率が高い傾向が見られる。

県内就職と県外就職の割合を見ると、就職希望者のうち県内での就職を希望する生徒は1,352人で全体の約92.3%を占めた。実際に県内で内定を得たのは1,268人となり、県内就職率は91.9%だった。一方、県外就職を希望する生徒は112人で、そのうち全員が内定を得ている。特に県外就職希望者の内定率は100%と非常に高い水準に達している。

産業別の求人状況を見ると、製造業が最も多く1,099件の求人があった。次いで、サービス業や小売業も多くの求人を出している。一方で、繊維工業など一部の業種では求人が減少しており、産業構造の変化が見て取れる。また、宿泊業・飲食サービス業も求人数は増加傾向にあるが、就職希望者のマッチングが課題となっている。

事業規模別の求人状況を分析すると、従業員数100人未満の中小企業の求人が全体の約6割を占めている。特に30~99人規模の企業での求人が顕著に増加しており、人材確保の必要性が高まっていることが分かる。対照的に、1,000人以上の大企業の求人はやや減少傾向にあるが、それでも一定の採用枠は確保されている。

これらのデータから分かることは、石川県内における新卒採用の市場は安定しており、企業の採用意欲も高い水準を維持しているという点だ。しかし、求人数の増加に対して就職希望者の増加が緩やかであるため、企業側はより積極的な採用活動を行う必要がある。また、県内就職を希望する生徒が多いものの、一部の産業では求職者とのミスマッチが発生しており、これを解消するための施策が求められる。

企業の採用担当者にとって、このデータは今後の採用計画を立てる上で重要な参考資料となる。特に、求人数が多い製造業やサービス業では、採用活動をより積極的に進めることが求められる。また、中小企業においては、より魅力的な労働条件を提示することで人材確保を強化することが鍵となる。石川県内の新卒市場は今後も安定した推移を続けると見られるが、企業側の採用戦略次第で採用成果が大きく変わる可能性がある。

⇒ 詳しくは石川労働局のWEBサイトへ