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2025年2月9日

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福井県の有効求人倍率は令和6年12月に1.91倍!全国平均の1.25倍を大きく上回る採用市場の現状とは?

雇用失業情勢 (令和6年12月分)(福井労働局)

福井労働局が発表した最新の労働市場データによると、県内の求人と求職の状況には依然として変動が見られる。令和6年12月時点での有効求人倍率(季節調整値)は1.91倍であり、全国平均の1.25倍を大きく上回る。この数値は求職者1人に対して約2件近い求人があることを示しており、人材確保が容易ではない状況が続いている。県内の有効求人数は20,366人で前月比0.5%増加した。一方、有効求職者数は10,684人で前月比0.8%増加しており、求職者の増加率が求人数の増加率を上回っている。

新規求人数は7,065人で前月比0.6%増加し、新規求職者数は2,736人で前月比8.9%の増加となった。しかし、新規求人倍率は2.58倍となり、前月比で0.22ポイント低下した。このデータは、求人の増加率よりも求職者の増加率が高まっていることを示しており、企業にとっては採用市場における競争の激化が予想される。

業種別の動向を詳しく見ると、建設業が前年同月比11.7%増加し、運輸業・郵便業は19.0%の増加、教育・学習支援業では28.0%の増加が見られた。特に教育・学習支援業の求人増加率が高く、この業界の需要の高まりがうかがえる。一方で、不動産業・物品賃貸業は37.9%減少し、医療・福祉分野では7.0%の減少が見られた。サービス業も6.7%減少し、全体としては業界ごとの明暗が分かれる結果となった。製造業の中でも、繊維工業は6.3%増加し、一部の地場産業では採用が活発になっているが、眼鏡製造業は15.3%減少し、金属製品製造業では29.1%の減少となった。特に電子部品・デバイス製造業は58.6%増と大幅に増加し、今後も技術職の需要が高まることが予想される。

年齢別の求職者の動向を見ると、24歳以下の求職者は前年同月比14.6%減少し、25~34歳は10.0%減少、35~44歳は3.8%減少、45~54歳は5.7%減少、55~64歳は1.6%減少と、若年層から中堅層の求職者が減少している傾向が顕著である。一方で、65歳以上の求職者は15.5%増加しており、高齢者の雇用意欲が高まっていることが分かる。新規求職者の求職理由を分析すると、在職者の求職は7.8%減少し、無業者の求職も1.7%減少した。しかし、離職者の求職は1.1%増加しており、特に事業主都合による離職は6.7%増加、自己都合による離職も2.1%増加している。この傾向は、企業の雇用環境や働き方の変化が影響を及ぼしている可能性を示している。

福井県の求人倍率の推移を見ると、1.91倍前後で安定しているが、過去20か月間、有効求人数は減少傾向が続いている。前年同月比では3.5%減少しており、新規求人数も1.7%減少していることから、求人市場の縮小が続いていることが分かる。企業が採用戦略を見直す必要性が高まっており、特に求職者の動向を踏まえた採用施策が求められている。

地域別に見ると、求人倍率には大きな差があり、三国地区では2.78倍と特に高く、福井市では2.05倍と続いている。このようなデータを考慮すると、特定地域では採用難易度が非常に高くなっていることが分かる。企業が採用活動を成功させるためには、エリアや職種ごとの求人状況を細かく把握し、地域特性に合った戦略をとることが不可欠である。

採用担当者にとっては、若年層の確保が大きな課題となる。24歳以下の求職者が大幅に減少しているため、新卒採用の強化や若手向けの研修・育成プログラムの充実が求められる。福井県は全国平均と比べて有効求人倍率が高く、若手人材の獲得競争が激化しているため、他社との差別化を図る施策が重要となる。また、高齢者雇用の活用も視野に入れるべきであり、65歳以上の求職者が増加していることを踏まえ、企業側も定年後の雇用継続制度を整備し、経験豊富なシニア人材を活用する戦略を取ることが必要である。

職種や業種ごとの戦略的アプローチも重要となる。技術職、特に電子部品・デバイス製造業の求人数は大幅に増加しており、技術者の確保が急務となっている。一方で、医療・福祉分野では求人数が減少しているため、人材確保のための新たな施策が求められる。これに加えて、地域ごとの採用戦略も考慮する必要があり、例えば三国地区の求人倍率は2.78倍と非常に高く、特定地域では採用の難易度が上昇しているため、リモートワークの導入や勤務地の柔軟な対応など、地域特性を踏まえた採用方法が求められる。

物価上昇も労働市場に影響を与える可能性があり、企業は給与水準の見直しや福利厚生の充実を図ることで、求職者にとって魅力的な雇用条件を提示することが不可欠となる。特に福井県の求人市場では、全国平均よりも高い求人倍率が続いており、今後も採用市場の競争は厳しさを増すと予想される。企業が長期的な視点で人材を確保するためには、労働市場のデータを活用し、適切な採用戦略を策定することが必要である。

⇒ 詳しくは福井労働局のWEBサイトへ

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