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2025年2月12日

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秋田県の外国人労働者数が3,536人に到達、前年比11.9%増!雇用拡大の背景とは?(令和6年10月末時点)

令和6年「外国人雇用状況」の届出状況のまとめ(秋田労働局)

秋田労働局が令和6年10月末時点の外国人雇用状況をまとめた結果、県内で働く外国人労働者の数は3,536人に達し、過去最高を更新したことが明らかになった。これは前年から375人、割合にして11.9%の増加となり、外国人労働者を雇用している事業所も前年より65事業所増えて計729事業所となった。平成19年に届出義務が課されて以降、外国人労働者の雇用状況は年々増加傾向にあり、秋田県の労働市場においてもその存在感が高まっている。

この増加の背景には、少子高齢化による人手不足の深刻化や、政府の特定技能制度の推進がある。特に、「技能実習」制度を利用した労働者は1,705人に上り、外国人労働者全体の約48.2%を占めている。次いで、「専門的・技術的分野の在留資格」を持つ労働者が881人(24.9%)、「身分に基づく在留資格」を持つ労働者が620人(17.5%)と続いている。特に「特定技能」資格を持つ労働者の増加が顕著で、前年より99人(42.1%増)増え、334人に達した。これは建設業や介護業など、特定技能人材の活用が進んでいることを示している。

国籍別では、最多はベトナムで958人(27.1%)、次いでフィリピン752人(21.3%)、中国(香港・マカオ含む)444人(12.6%)となっており、東南アジア諸国の出身者が全体の大部分を占めている。この傾向は全国的にも同様で、特に技能実習制度を活用した労働力供給が進んでいることが背景にある。

産業別にみると、最も多くの外国人労働者が従事しているのは「製造業」で、1,398人が働いている。特に繊維工業や食料品製造業が多くを占め、製造業全体での外国人労働者割合は39.5%に達している。次いで、「卸売業・小売業」が387人(10.9%)、「医療・福祉」が345人(9.8%)、「建設業」が296人(8.4%)と続く。特に建設業では前年比91人増(44.4%増)となっており、外国人労働者の受け入れが急速に進んでいる分野の一つだ。また、「宿泊業・飲食サービス業」は242人(6.8%)で、前年比14.7%の増加となっている。

事業所の規模別では、従業員30人未満の事業所が最も多く、全体の54.5%(397事業所)を占めている。外国人労働者も同様に、小規模事業所での雇用が多く、1,315人(全体の37.2%)が30人未満の事業所で就労している。一方、500人以上の大企業での雇用も増加しており、現在525人が勤務している。

地域別では、秋田市を管轄する秋田公共職業安定所管内が最も多く、1,423人が就労している。次いで大館公共職業安定所管内が482人、大曲公共職業安定所管内が307人、横手公共職業安定所管内が376人となっている。地域によって産業構造の違いがあり、例えば能代地域では建設業の比率が高く、大館地域では製造業が中心となっている。

今回の統計結果から、秋田県内の外国人労働者数は右肩上がりに増加しており、地域経済における役割が大きくなっていることが分かる。特に技能実習制度や特定技能制度を利用した労働者の増加が顕著であり、企業側も外国人労働者の活用に積極的な姿勢を見せている。しかし、その一方で、言語の壁や労働環境の改善、定着支援などの課題も浮かび上がっている。今後、地方の労働市場において外国人労働者の受け入れをさらに円滑に進めるためには、企業側の体制整備や支援策の充実が求められる。

⇒ 詳しくは秋田労働局のWEBサイトへ