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2024年8月13日

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秋田県の有効求人倍率1.24倍、前年比で0.06ポイント低下―地域別格差が浮き彫りに

秋田県内の雇用情勢(令和6年6月)(秋田労働局)

秋田県内の雇用情勢について、令和6年6月のデータを基に詳述します。この月の秋田県内の有効求人倍率(受理地、季節調整値)は1.24倍で、前月比で0.06ポイントの減少となりました。全国的には1.23倍であり、秋田県の倍率はこれとほぼ同等ですが、全国順位は前月の19位から22位に下降しました。これにより、秋田県内の雇用状況は全国平均に近い水準を保っているものの、依然として地域ごとに格差が存在することが示唆されています。

次に、新規求人倍率についてですが、これは1.79倍で、前月比で0.18ポイント低下しました。新規求人の減少は、求職者にとって選択肢が狭まることを意味し、特に一部の産業において厳しい雇用情勢が続いていることが分かります。具体的には、建設業や製造業などの分野で求人が減少しており、これは物価上昇や国際的な景気変動の影響を受けている可能性があります。

令和6年6月のデータに基づくと、秋田県内の有効求人数は19,872人、新規求人数は6,692人でした。一方で、求職者数は9,518人、新規求職者数は3,730人であり、前月比ではそれぞれ0.6%の減少と、1.5%の減少を記録しています。この減少傾向は、求職者が少しずつ労働市場から離脱している可能性を示唆しており、特に新規求職者数の減少が目立ちます。これは、若年層や新卒者が求職活動を控えたり、あるいは県外での就職を選択したりしているためかもしれません。

地域別に見ると、県北地域の有効求人倍率は1.39倍、中央地域は1.12倍、県南地域は0.92倍と、地域ごとの求人倍率には明確な差が見られます。特に県南地域では、求人倍率が1倍を下回る状況が続いており、就職先の選択肢が非常に限られていることが分かります。これに対して、県北地域では他地域よりも高い倍率を維持しており、この地域での雇用創出活動が比較的活発であることがうかがえます。

次に、就職の動向についてですが、令和6年6月の就職件数は1,402件で、前年同月比で10.5%、つまり164件の減少となりました。特に、45歳以上の中高年齢者の就職が800件と増加傾向にある一方で、若年層の就職件数は低下しています。また、65歳以上の就職者は182件で、前年同月比で20.5%の増加を見せており、高齢者の就業意欲の高さが伺えます。

就職件数の減少が目立つ職業は、製造業や運輸業、卸売業や小売業です。これらの業界では、特に労働市場が厳しい状況にあり、新規求職者が減少しているだけでなく、企業側の雇用需要も低迷していることがわかります。製造業においては、製品の需要が減少しており、これが求人の減少に直結しています。また、運輸業に関しては、原油価格の高騰など外部要因が大きな影響を与えていると考えられます。

秋田県内の労働市場における産業別の動向を詳しく見ると、生活関連サービス業や娯楽業での新規求人が増加している一方、建設業や製造業、運輸業では減少が顕著です。特に、製造業では29.2%の減少が見られ、業界全体での生産縮小や海外市場の低迷が影響していることが推測されます。また、宿泊業や飲食サービス業も厳しい状況が続いており、これらの業界では新規求人が前年同月比で41.6%減少しています。これは、旅行需要の減少や消費者の節約志向が背景にあると考えられます。

一方、医療や福祉の分野では、新規求人が7.7%減少していますが、これは一時的な現象であり、依然として高い需要が続いています。特に介護業界では人手不足が深刻化しており、求人倍率が他の職種と比較して高い傾向にあります。

地域別のハローワークのデータを見ると、鹿角市の有効求人倍率が1.70倍と高くなっていますが、県北や中央、県南地域ではそれぞれ1.39倍、1.12倍、0.92倍と、地域間での差が見られます。この差は、地域ごとの産業構造や人口動態によるものであり、特に中央や県南地域では求人倍率が低いことから、求職者にとっては厳しい環境が続いています。

求職者の動向については、全体的に有効求職者数が増加していますが、新規求職者数は減少しています。これは、求職者が労働市場にとどまる一方で、新たな求職者が市場に参入しにくい状況を反映しています。また、離職者数が減少していることから、現在の職場に留まる傾向が強まっていることも示唆されています。

求職者の年齢層別の動向を見ると、65歳以上の新規求職者が増加傾向にあり、特に高齢者の就業意欲が高まっていることが分かります。これに対し、若年層の求職者数は減少しており、特に25歳から34歳の層で顕著です。これは、若年層が県外での就職を志向していることや、地域内での就職機会が限られていることが原因と考えられます。

最後に、労働市場の全体的なバランスについて言及します。令和6年6月のデータでは、職業別に見た場合、建設・採掘従事者や保安職業従事者、医療・福祉従事者などの職種で求人倍率が高く、労働市場において需要が強いことが分かります。特に、介護関連職種では求人倍率が高く、依然として人材不足が深刻であることが伺えます。

このように、秋田県内の労働市場は産業別、地域別に多様な課題を抱えており、特に若年層の県外流出や高齢者の就業意欲の高まりが顕著です。今後、これらの課題に対する対策が求められ、地域ごとの産業構造や労働市場の特性に応じた政策の展開が必要とされるでしょう。

地域間格差が広がる秋田県の労働市場、求職者数減少と高齢者雇用増加の影響

秋田県の労働市場は、地域ごとに異なる課題を抱えており、これが全体的な雇用情勢に多岐にわたる影響を及ぼしています。まず、有効求人倍率が低下していることは、地域経済全体に対して重大な示唆を含んでいます。具体的には、企業が新規雇用に対して慎重な姿勢をとりつつあることを示しており、特に製造業や建設業などの主要産業でその傾向が顕著に現れています。このような産業の動向は、地域経済の健康状態を示す重要な指標であり、求職者の選択肢が減少し、求職活動が一層困難になることが予想されます。

一方で、新規求職者数の減少は、求職活動を行う人々の数が減っていることを示しており、これは若年層を中心に県外へ流出している可能性を示唆しています。この流出現象は、秋田県内の人口減少や地域活性化の取り組みに対して深刻な影響を与え、長期的には地域社会の持続可能性を脅かす可能性があります。特に、人口減少が進む地域では、若年層の流出が加速することで、地域経済の活力が一層損なわれるリスクがあります。

さらに、秋田県内の地域間での有効求人倍率の差が顕著であることも注目に値します。具体的には、県北地域が1.39倍と比較的高い水準を維持している一方で、中央地域では1.12倍、そして県南地域では0.92倍と、1倍を下回る状況が続いています。このような地域間格差は、地域ごとの経済活力や産業構造の違いを反映しており、全体としての県内経済のバランスが崩れつつあることを示しています。特に、県南地域での求人倍率が低い状況は、地域の経済的な停滞を示しており、これにより求職者が希望する職を見つけることが一層難しくなっている現状が浮き彫りになっています。

このような地域間格差に対しては、地域ごとに異なる対策が求められることは明白です。例えば、求人倍率の低い地域に対しては、地元産業の育成や外部からの企業誘致を積極的に進めることで、雇用機会の拡大を図る必要があります。また、高齢者の就業意欲が高まっている一方で、若年層の県外流出が進んでいることは、地域の労働力構成においてもバランスが崩れていることを示しています。これに対しては、若年層が地元での就職を希望するような環境整備や、地元企業の魅力を高める取り組みが重要となるでしょう。

また、秋田県内の労働市場における産業別の動向も注目すべき点です。特に生活関連サービス業や娯楽業では新規求人が増加しているものの、建設業や製造業、運輸業といった基幹産業では求人の減少が顕著です。製造業においては、前年比で29.2%もの減少を記録しており、これは国内外の経済環境の影響を受けていることが大きいと考えられます。また、宿泊業や飲食サービス業も厳しい状況が続いており、新規求人が41.6%減少していることからも、これらの産業がいかに厳しい環境に置かれているかが伺えます。このような状況は、地域経済全体にとって深刻な問題であり、これらの業界で働く人々の生活にも直接的な影響を与えています。

医療や福祉の分野では、新規求人が7.7%減少しているものの、依然として高い需要が続いています。特に、介護業界においては人手不足が深刻化しており、求人倍率が他の職種と比較しても非常に高い水準にあります。これは、高齢化が進む中で、介護職の需要がますます高まっていることを反映しています。しかしながら、こうした高い需要にもかかわらず、求職者の数が追いつかない現状が続いており、地域社会にとっては重要な課題となっています。

地域別のハローワークのデータを詳しく見ると、鹿角市の有効求人倍率が1.70倍と非常に高い水準を維持している一方で、県北や中央、県南地域ではそれぞれ1.39倍、1.12倍、0.92倍という状況が続いています。これにより、秋田県内での地域間の雇用機会の格差が一層鮮明になっています。こうした地域間の違いは、地域経済の多様性や特性を反映しており、県全体の経済戦略を考える上で重要な要素となります。

求職者の動向については、全体的に有効求職者数が増加している一方で、新規求職者数は減少しています。これは、求職者が労働市場に留まる一方で、新たに求職活動を始める人々が減少していることを示しています。この背景には、現職に留まる意向が強まっていることや、新たな就職先を見つけることへの不安があると考えられます。また、離職者数が減少していることからも、現在の職場に留まる傾向が強まっていることが読み取れます。

求職者の年齢層別の動向を見ると、65歳以上の新規求職者が増加しており、特に高齢者の就業意欲が高まっていることが分かります。これは、年金だけでは生活が厳しいと感じる高齢者が多いことや、健康なうちに社会とつながっていたいという意識が背景にあると考えられます。一方で、若年層の求職者数は減少傾向にあり、特に25歳から34歳の層でその傾向が顕著です。これには、県外での就職を志向する若年層が増加していることや、地域内での就職機会が限られていることが影響している可能性があります。

最後に、労働市場全体のバランスに関してですが、職業別の求人と求職のバランスを見た場合、建設・採掘従事者や保安職業従事者、医療・福祉従事者などの職種で高い求人倍率が見られます。これらの職種は地域社会の基盤を支える重要な職業であり、その需要が強いことは、地域社会の安全性や福祉の質を保つ上で欠かせない要素です。特に介護関連職種では、求人倍率が高い一方で、求職者数が不足している状況が続いており、今後の人材確保が課題となります。

総じて、秋田県の労働市場は多様な課題を抱えており、特に若年層の県外流出や高齢者の就業意欲の高まりが顕著です。これらの課題に対応するためには、地域ごとの産業構造や労働市場の特性に応じた政策の展開が必要であり、特定の産業や地域に集中した支援が求められます。また、地域間の雇用格差を是正するための取り組みが不可欠であり、地域全体の持続可能な発展を目指した包括的なアプローチが必要とされるでしょう。

⇒ 詳しくは秋田労働局のWEBサイトへ

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