2025年1月6日
労務・人事ニュース
秋田県の障害者雇用者数が2997人に増加、前年比6.1%の大幅アップで過去最高を更新(令和6年6月1日時点)
令和6年 障害者雇用状況の集計結果(秋田労働局)
令和6年6月1日現在の障害者雇用状況に関する詳細なデータが発表され、全国および秋田県内の雇用状況の現状と課題が明らかになりました。この調査は、身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用状況を毎年定期的に集計するものであり、障害者雇用促進法に基づく義務の達成度を測る重要な指標となっています。
秋田県内では、民間企業における障害者の実雇用率が2.49%と、法定雇用率2.5%に迫る結果を達成しました。しかしながら、法定雇用率を満たしている企業の割合は58.8%と、前年の64.2%から5.4ポイント減少しました。このことから、一部の企業では雇用義務の達成が難しい状況が続いていることがうかがえます。
さらに、雇用されている障害者の総数は前年から6.1%増加し、2997人に達しました。この中で、身体障害者が1572.5人、知的障害者が835.5人、精神障害者が589人と、それぞれ増加傾向を示しています。特に精神障害者の雇用者数が前年比17.6%増と顕著な伸びを記録しており、精神障害者に対する雇用支援の重要性が高まっています。
企業規模別に見ると、雇用障害者数が最も多いのは、100~300人未満規模の企業で945.5人、続いて40~100人未満規模の企業で734.5人、1000人以上の大規模企業で740人という結果になっています。一方で、法定雇用率を達成していない企業は365社に上り、そのうち障害者が1人も雇用されていない企業が全体の60%を占めています。この現状から、特に中小企業へのさらなる雇用支援策が求められています。
公的機関においても、秋田県知事部局は実雇用率3.07%を達成したものの、前年からやや低下しました。一方、教育委員会や市町村機関では実雇用率が向上し、全体として障害者雇用に向けた努力が伺えます。例えば、市町村機関では実雇用率が2.86%と前年の2.68%から改善しましたが、46機関中6機関が法定雇用率に未達となっています。
また、地方独立行政法人では、雇用されている障害者数が89.5人、実雇用率が2.63%と、いずれも前年を下回る結果となりました。達成率が低下した背景には、職場環境の整備不足や適切な雇用支援の不足があると考えられます。
これらのデータを踏まえ、秋田労働局や各ハローワークでは、法定雇用率未達成企業に対する指導や支援を強化しています。特に、「障害者雇入れ計画」を作成し、着実な実施を進めるよう企業に働きかけています。この計画では、実雇用率が全国平均を下回り、かつ不足人数が多い企業を重点的に指導する方針が取られています。
障害者雇用の推進は、企業の社会的責任を果たすだけでなく、多様性と包摂性を促進し、職場環境を豊かにする重要な要素です。今後も、法定雇用率の達成に向けた取り組みがさらに進展し、全ての人々が働きやすい社会の実現が期待されます。
⇒ 詳しくは秋田労働局のWEBサイトへ