2024年12月25日
労務・人事ニュース
秋田県新卒者の就職内定率、初めて72.9%を超える!地域密着採用がカギ(令和6年10月末現在)
令和7年3月新規大学等卒業者の就職内定状況[令和6年10月末現在](秋田労働局)
秋田労働局が令和6年10月末時点でまとめた、令和7年3月新規大学等卒業者の就職内定状況に関する詳細なデータによると、就職内定率は全体で78.9%と前年同期からわずかに0.2ポイント減少しました。一方で、県内就職希望者における内定率は72.9%と、前年同期比で3.5ポイントの上昇を見せています。この上昇は、県内企業における新卒採用の積極化や、地域に根差した就職支援施策の成果と考えられます。
就職希望者数全体は2,261人で、前年同期比13.1%増加しています。そのうち、県内就職希望者は979人で、前年から5.6%増加しましたが、全体に占める割合は43.3%と、前年より3.1ポイント低下しています。一方、県外就職希望者は1,282人と前年同期比で19.5%増加しました。このような傾向は、県外でのキャリア形成を目指す新卒者が増加していることを示唆しています。
就職内定者数は1,785人で、前年同期比12.8%増加しました。そのうち県内内定者数は714人で11.0%の増加、県外内定者数は1,071人で14.1%の増加を記録しています。この結果、全体の内定者に占める県内就職内定者の割合は40.0%と、前年より0.6ポイント減少しました。これに対し、県外就職希望者の内定率は83.5%で、前年同期比4.0ポイント減少していることが興味深い点です。
就職未内定者数は476人で、前年同期比13.9%増加しました。そのうち県内未内定者数は265人で6.7%減少したのに対し、県外未内定者数は211人で57.5%増加しました。このような増減の差異は、県内と県外での雇用市場における需要と供給のアンバランスが原因と考えられます。
さらに、秋田県では令和6年度中にさまざまな就職支援イベントを開催しています。12月26日に開催される「あきた就職フェア」では、県内企業が自社のPRを行うほか、業界研究会では、県内で就職を希望する学生やその家族に向けた情報提供が行われます。これらのイベントは、地元就職を促進する重要な機会となっています。
統計データから見ると、県内就職希望者の増加にもかかわらず、内定率や県内就職の割合が減少している点が課題といえます。この状況を改善するためには、県内企業の魅力をさらに発信し、若者が地元でのキャリア形成をイメージしやすい環境を整えることが必要です。
秋田労働局が発表したデータを基にしたこれらの分析は、地域経済の発展に向けた人材確保の重要性を再確認させる内容となっています。企業にとっては、このような情報を活用して採用計画を調整し、地域社会の発展に寄与することが期待されます。
⇒ 詳しくは秋田労働局のWEBサイトへ