2024年8月22日
労務・人事ニュース
秋田県 令和7年3月卒業予定者の県内就職希望者が10.3%増加、企業の採用戦略に影響か
令和7年3月新規高校卒業者職業紹介状況[令和6年6月末現在](秋田労働局)
秋田労働局が発表した最新の新規高校卒業者の求人・求職状況は、企業の採用担当者にとって注目すべき内容が含まれています。令和6年6月末現在のデータをもとに、令和7年3月卒業予定の高校生の就職希望状況について詳しく説明します。
まず、令和7年3月卒業予定者の就職希望者数は1,598人で、前年同期に比べて73人(4.8%)の増加が見られました。その中でも、県内就職を希望する学生は1,248人で、前年同期比117人(10.3%)増加しており、初めて前年比10%以上の増加を記録しました。一方で、県外就職を希望する学生は350人で、前年同期に比べて44人(11.2%)減少しています。
求人状況を見ると、県内の求人数は3,809人で、前年同期に比べて306人(7.4%)減少しています。特に製造業や建設業、卸売・小売業で求人が減少しており、例えば製造業では1,220人の求人がありましたが、前年同期比で155人(11.3%)減少しました。同様に、建設業では928人の求人があり、74人(7.4%)の減少となっています。これにより、県内求人倍率は3.05倍となり、昨年に次いで過去2番目の高水準となりました。
地域別のデータを見てみると、県内の中心部に位置する中央地域では、県内就職希望者数が616人で、県内求人数の1,906人に対して求人倍率が3.09倍となっています。一方、県北や県南の地域では求人倍率がそれぞれ4.31倍、3.40倍と、地域による違いが明らかになっています。これは、各地域の産業構造や雇用環境が異なることに起因しています。
また、産業別に見ると、宿泊・飲食サービス業や医療・福祉分野での求人も減少傾向にあります。例えば、宿泊・飲食サービス業では130人の求人がありましたが、前年同期比で3人(2.3%)の減少となりました。医療・福祉分野でも、284人の求人があり、23人(7.5%)減少しています。一方で、サービス業の一部では求人が若干増加しており、440人の求人が前年同期比で6人(1.4%)増加しました。
これらのデータから、秋田県内における高校卒業者の就職環境は依然として厳しい状況にありますが、県内就職を希望する若者が増加している一方で、求人の減少が続いていることがわかります。このため、企業にとっては、自社の魅力を効果的にアピールし、若者を引きつける戦略が重要となります。
さらに、今後の採用活動においては、特定の産業や地域に偏らず、広範なアプローチが求められます。また、若者のニーズに応じた働き方の柔軟性やキャリアパスの提示なども重要な要素となるでしょう。
企業の採用担当者にとって、このようなデータをもとに、効果的な採用戦略を立案し、優秀な人材の確保に向けた取り組みを強化することが必要です。特に、県内での人材確保が課題となっている地域や産業では、地域の魅力を発信し、若者が安心して働ける環境を整えることが、今後の地域経済の発展において重要な役割を果たすでしょう。
⇒ 詳しくは秋田労働局のWEBサイトへ