2024年8月31日
労務・人事ニュース
第9回APEC食料安全保障担当大臣会合で採択された「トルヒーヨ原則」、食品ロス削減の新たな国際基準として注目
第9回APEC食料安全保障担当大臣会合の結果概要について(農水省)
令和6年8月18日にペルーで開催された第9回APEC食料安全保障担当大臣会合では、食料安全保障の確保や食品ロスの防止・削減、持続可能で強靭なサプライチェーンの構築について話し合われ、これに関する閣僚声明や関連文書が採択されました。この会合には、日本を含むAPECの各国が参加し、現代の食料問題に対するアプローチや解決策について議論を深めました。
日本からは、気候変動問題に対応するためのデータに基づいた政策立案の重要性が強調され、日米共催のワークショップで得られた知見が報告されました。また、食品ロスの防止と削減の必要性が強調され、「みどりの食料システム戦略」や「日ASEANみどり協力プラン」を通じて、持続可能な農業・食料システムの構築に向けた協力の強化が求められました。
この会合では、「APEC食料安全保障担当大臣会合閣僚声明」や「APEC食料安全保障担当大臣会合議長声明」などが採択され、特に食品ロスの防止・削減に向けた「トルヒーヨ原則」が注目されました。これには、食品ロス削減を促進するための研究やイノベーション、デジタル化の重要性が強調され、また、食品産業全体における生産性や持続可能性の向上が求められています。
会合での日本の発言では、ロシアによるウクライナ侵略が世界の食料安全保障に与える深刻な影響について厳しく非難し、直ちに侵略を止めるよう強く求めました。また、日本がSDGsターゲット12.3に基づき、2030年までに事業系食品ロスを半減させる目標を達成したことが紹介され、これが他の参加国に対しても大きなインパクトを与えました。
さらに、日米共催のワークショップでは、データの適切な活用と関係者間のコミュニケーション促進の重要性が議論され、これが今後の食料安全保障政策において重要な役割を果たすことが期待されています。イノベーションの活用による農業生産性と持続可能性の両立を目指す「みどりの食料システム戦略」や、ASEAN各国との協力による食料システムの変革推進も、日本からの重要な提案として位置づけられました。
今回のAPEC会合を通じて、各国が協力して食料安全保障を強化し、持続可能で強靭な食料システムの構築を目指す取り組みがさらに進展することが期待されています。
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