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2024年5月25日

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約束手形の支払いサイトを90日から60日に短縮!公正取引委員会と中小企業庁が2024年11月の新運用開始に向けて要請

約束手形等の交付から満期日までの期間の短縮を事業者団体に要請(経産省)

中小企業庁と公正取引委員会は、約束手形などの支払いサイトの短縮を目指しています。2024年11月以降、下請法の運用ルールが変わり、支払い期間が60日を超える約束手形や電子記録債権などの発行が行政指導の対象となります。この変更により、中小企業の取引適正化を図ることが目的です。

背景として、中小企業庁は中小企業の支払い条件改善を重要課題として掲げています。これまでも業種ごとのガイドラインや自主行動計画を通じて、支払いサイトの短縮を推進してきました。しかし、支払いサイトが長期化することで、中小企業の資金繰りに大きな負担がかかる状況が続いていました。今回のルール変更は、こうした課題に対処するための一環です。

1966年以降、中小企業庁と公正取引委員会は業界の商慣習や金融情勢を考慮し、繊維業は90日、その他の業種は120日を超える手形を「割引困難な手形」として指導してきました。長期の手形が中小企業にとって資金繰りの負担となることを踏まえ、2024年11月から新たな運用を開始することになりました。

新たな運用は、支払いサイトが60日を超える手形を「割引困難な手形」として指導の対象とするものです。また、ファクタリングなどの一括決済方式についても、サイトを60日以内にすることが求められます。これにより、サプライチェーン全体で支払いサイトの短縮に取り組むことが期待されます。

中小企業庁と公正取引委員会は、各産業の業界団体や金融機関に対し、新たな運用の適用開始に向けた要請文を発出しました。この要請文では、支払いサイトの短縮に向けた取り組みを促すとともに、事業者の資金繰り支援にも配慮するよう求めています。

具体的には、支払いサイトが60日を超える手形の発行を制限し、代金の支払いを現金で行うことを推奨しています。特に、建設工事や大型機器の製造など、長期にわたる取引においては、前払い比率や期中払い比率の向上を求めています。また、事業者からの資金繰り支援の相談にも親身に対応し、柔軟かつきめ細かな支援を提供することが求められています。

この取り組みは、中小企業の取引環境を改善し、健全な経済活動を支えるために重要です。今後、中小企業庁と公正取引委員会は連携して、支払いサイトの短縮に向けた取り組みを推進していきます。事業者の皆様には、この新たな運用に対応するための準備を進めていただくようお願いします。

⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ