2024年4月7日
労務・人事ニュース
経済動向を反映する派遣業界のシフト 令和4年度における労働者派遣事業の詳細分析
令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)(厚労省)
厚生労働省が最近、令和4年度における「労働者派遣事業報告書」の速報値を公開しました。これは、派遣業界の動向を示す重要なデータであり、派遣される労働者の人数や派遣業界全体の売上、派遣先の数などに関する詳細情報を含んでいます。
派遣元事業主は毎年、自社の運営状況を報告する義務があり、これに基づいたデータが令和4年4月1日から翌年3月31日までの期間に集計されました。
集計結果は興味深い変化を示しています。派遣労働者数は約215万人となり、前年度に比べて2.6%増加しました。内訳を見ると、無期雇用の派遣労働者が約82.9万人で前年度比6.8%増、有期雇用の派遣労働者が約131.8万人で0.1%の僅かな増加となっています。これらの数字は、労働市場における派遣労働の需要の変動を示しています。
一方で、派遣先の件数は約80万件に達し、前年度と比べて6.1%の減少が見られました。この減少は、派遣先企業の数が減少していることを意味し、市場の変化や経済状況の影響を受けている可能性があります。
財務面では、業界全体の年間売上は約8兆7646億円となり、前年度比6.4%増加しました。これは、派遣労働市場の規模としては健全な成長を示しており、経済にとって肯定的なシグナルといえます。
さらに、派遣料金(8時間換算)の平均は24,909円、派遣労働者の賃金(8時間換算)の平均は15,968円で、それぞれ前年度比1.8%、1.7%の増加となっています。これらの数値は、労働市場における派遣労働者の経済的地位の改善を示唆しています。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ