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2024年9月12日

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総務省、90GHz帯滑走路面異物検知レーダー導入に向けた電波法施行規則改正案を公表-航空安全向上を目指した技術導入の新たな一歩-

電波法施行規則等の一部を改正する省令案等に係る意見募集の結果及び電波法施行規則等の一部を改正する省令案に係る電波監理審議会からの答申(総務省)

総務省は、90GHz帯滑走路面異物検知レーダーの導入を含む、電波法施行規則等の一部を改正する省令案に対する意見募集の結果を公表しました。今回の改正は、航空安全の向上を目的とした複数の技術的な導入に関連しており、航空業界にとっても非常に重要な変更点が含まれています。意見募集は令和6年6月28日から同年7月29日までの期間で実施され、関係者から2件の意見が寄せられました。これらの意見に対する総務省の対応も含めて、その内容が公表されています。

今回の省令改正案には、3つの主要なポイントが含まれています。まず、90GHz帯滑走路面異物検知レーダーの導入です。この技術は、空港の滑走路上に落下している微小な異物を高精度で検知するために開発されました。光ファイバー技術とミリ波帯におけるイメージング技術を組み合わせたこのレーダーは、滑走路の安全性を大幅に向上させることが期待されています。従来の手法では、滑走路の異物検知は肉眼やカメラによる監視が主流であり、精度や検知速度に限界がありました。しかし、この新技術により、滑走路の安全性が飛躍的に向上し、航空機の離着陸におけるリスクを大幅に軽減できるとされています。

次に、国際民間航空機関(ICAO)の新規格であるELT-DT(遭難追跡機能を持つ航空機用救命無線機)の導入についてです。令和7年1月1日以降、総重量27トン以上の新造航空機には、この新たな規格に基づくELT機器の装備が義務化されます。この新規格は、航空機の遭難時により迅速かつ正確に位置を特定できるよう設計されています。我が国でも、これに対応するための規定が改正され、国内の航空機にも同様の装備が求められることになります。従来のELTは、遭難時に手動で発信するものが主流でしたが、ELT-DTは遭難時に自動的に発信し、航空機の位置情報をリアルタイムで追跡することが可能です。これにより、捜索救助活動が迅速に行えるようになり、航空機事故の被害を最小限に抑えることが期待されています。

さらに、電気を動力源とする航空機、通称「空飛ぶクルマ」の導入に向けた規定の見直しも行われました。近年、無人航空機に使用される技術の進化に伴い、電気を動力源とする航空機の実用化が進んでいます。これらの航空機は、従来の航空機とは異なる技術的要件を持っており、特に蓄電池の運用において大きな違いがあります。従来の航空機では、蓄電池が航行中に充電可能であることが必要とされていましたが、空飛ぶクルマの場合、地上での事前充電が一般的です。そのため、航行中に充電する必要がないこれらの新型航空機に対しては、従来の規定を適用することが不合理であると判断され、今回の改正により適用除外されることになりました。これにより、空飛ぶクルマの普及が一層進むと見込まれています。

今回の意見募集結果を踏まえ、総務省は電波監理審議会に諮問を行い、同審議会からは原案が適当である旨の答申がなされました。電波監理審議会は、電波に関する高度な知識を持つ専門家で構成されており、その審議結果は制度改正において重要な役割を果たします。今回の答申を受け、総務省は速やかに関連規定の整備を進める予定です。このプロセスが完了すれば、空港運営の安全性が一層強化され、新たな航空技術の導入が促進されることとなります。

総務省によるこれらの改正は、航空業界にとって重要な前進を意味し、特に安全性の向上や新技術の導入に対する政府の積極的な姿勢を示すものです。今後も、技術の進化に対応した制度改正が続くことが予想され、関係者の注目が集まっています。これらの改正により、日本の空港運営がさらに安全で効率的なものとなり、航空業界全体の信頼性が高まることが期待されています。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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