2025年1月7日
労務・人事ニュース
群馬県の障害者雇用、6,953人と過去最高更新!実雇用率も2.35%に上昇(令和6年6月1日時点)
令和6年 障害者雇用状況の集計結果(群馬労働局)
群馬労働局がまとめた令和6年の障害者雇用状況によると、県内の民間企業における障害者の雇用者数および実雇用率は、いずれも過去最高を更新しました。これは、障害者雇用促進法に基づき、従業員規模に応じた法定雇用率の達成が企業に義務付けられていることに起因しています。法定雇用率未達成の企業に対しては、達成に向けた指導や助言が行われており、令和8年7月から法定雇用率が0.2%引き上げられる予定です。
令和6年6月1日時点での調査結果では、県内の民間企業1,887社における障害者雇用者数は6,953人で、前年の6,512人から441人増加しました。これにより、実雇用率も2.35%に上昇し、前年の2.28%を0.07ポイント上回っています。しかし、全国平均の2.41%にはわずかに及びませんでした。一方で、法定雇用率達成企業の割合は前年の56.1%から53.2%に低下しましたが、全国平均の46.0%を大きく上回る結果となりました。
さらに詳しいデータとして、身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用者数も増加しており、特に精神障害者の増加率が21.5%と顕著でした。これにより、身体障害者の雇用者数は3,989.5人、知的障害者は1,691.5人、精神障害者は1,272.0人に達しました。こうした増加は、障害の種類を問わず多様な人材が活躍できる職場環境の整備が進められていることを反映しています。
企業規模別のデータも興味深い結果を示しています。例えば、100人から200人未満の企業規模では、雇用者数が前年より7.2%増加し、実雇用率も2.51%に達しました。一方、500人から1,000人未満の企業規模では、雇用者数がわずかに減少し、実雇用率も前年を下回る結果となっています。これは、規模の大きな企業ほど法定雇用率の達成が困難な場合があることを示唆しています。
一方、法定雇用率未達成企業の分析では、対象企業884社のうち約72%が不足人数0.5人または1人と、わずかな努力で達成可能な範囲にあることが分かりました。しかし、障害者を一人も雇用していない企業も528社存在し、その多くは40人から100人未満の規模の企業で占められています。この層への具体的な支援策が必要と言えるでしょう。
産業別の分析では、「電気・ガス・熱供給・水道業」を除くすべての産業で雇用者数が増加しました。特に「卸売業・小売業」や「宿泊業・飲食サービス業」での増加が目立ちます。これらの分野では、職場環境の改善や支援体制の充実が効果を上げていると考えられます。
また、公的機関における雇用状況も注目すべき点があります。群馬県内の地方公共団体や教育委員会では、雇用者数と実雇用率の向上が見られるものの、一部の市町村や機関で未達成の状況が続いています。例えば、教育委員会では、実雇用率が2.84%に達したものの、一部の機関で目標達成に至っていないことが指摘されました。
こうした状況を受けて、群馬労働局では障害者雇用対策を引き続き推進し、個々の希望や能力に応じた雇用機会の創出に努めています。企業に対しては「障害者雇入れ計画」の適正な実施を促し、達成が困難な場合には助言や指導を行っています。また、障害者雇用の促進に向けた具体的な取り組みとして、ハローワークの支援を活用したマッチングや職場環境の改善に力を入れています。
企業の採用担当者にとって、このデータは、社会的責任を果たすだけでなく、障害者雇用による職場の多様性の向上や人材不足の解消にも寄与することを示唆しています。今後も法定雇用率の達成に向けた取り組みを強化し、地域社会全体で障害者が働きやすい環境を整える必要があります。
⇒ 詳しくは群馬労働局のWEBサイトへ