2025年2月19日
労務・人事ニュース
群馬県の高校新卒者求人倍率4.08倍!過去最高水準で企業の採用競争激化(令和6年12月時点)
令和6年度高校新卒者の内定・求人・求職状況(令和6年12月時点)(群馬労働局)
群馬労働局が公表した令和6年度高校新卒者の求人・求職・内定状況によると、令和6年12月末時点での高校新卒者の就職市場は、前年と比較して一定の変動が見られる結果となった。高校生の就職希望者が円滑に就職できるよう、ハローワークと新卒応援ハローワークでは学校と連携し、個別相談や求人開拓などの支援を継続している。
群馬県内の高校新卒者向けの求人倍率は4.08倍となり、前年同月の3.81倍から0.27ポイント上昇した。これは平成8年3月卒業者以降、最も高い水準に達している。求人数は9,132人で、前年の9,257人から1.4%の減少となった。一方で、求職者数は2,236人となり、前年同月の2,430人から8.0%減少している。就職内定率は93.5%で、前年同月の93.4%を0.1ポイント上回る形となったが、内定者数は2,091人で、前年の2,269人から7.8%の減少が見られた。
高校新卒者の求人市場において、産業別の求人数を見てみると、製造業の求人は3,894件となり、前年の4,021件から3.2%の減少となった。特に、輸送用機械器具製造業では1,038件の求人があり、前年の1,055件からわずかに減少したものの、依然として製造業の中で最も多い求人数を占めている。一方、建設業は1,524件の求人があり、前年の1,365件から増加傾向を示した。運輸業・郵便業の求人も346件で、前年の293件から増加し、前年同月比18.1%増の伸びを見せた。
しかし、小売業や宿泊・飲食業の求人は減少傾向にある。卸売・小売業の求人数は1,337件で、前年の1,544件から13.4%減少した。宿泊業・飲食サービス業も前年の384件から349件に減少し、9.1%の減少幅を記録している。また、サービス業(他に分類されないもの)の求人も390件で、前年の416件から6.3%減少した。
一方で、医療・福祉分野の求人は604件となり、前年の593件から1.9%の増加が見られた。少子高齢化の進展に伴い、医療や介護分野の人材需要は引き続き高い水準を維持している。さらに、情報通信業の求人は27件から17件へと減少したものの、業種によっては依然として成長の余地があると考えられる。
高校新卒者の内定状況についても詳しく見てみると、就職内定率は93.5%と前年をわずかに上回ったものの、内定者数そのものは減少傾向にある。これは求職者数の減少とともに、全体の就職市場の変化を反映したものと考えられる。また、求人倍率が上昇していることから、企業側の人手不足が続いていることがうかがえる。特に中小企業を中心に、高校新卒者の確保に苦慮しているケースもあると推測される。
このような状況を受け、群馬労働局では、引き続きハローワークを通じた個別支援や求人開拓を強化し、高校生が安心して就職活動を進められる環境を整えていく方針だ。企業側も採用活動の工夫が求められ、例えば、企業説明会の充実や職場体験を通じた魅力発信、働きやすい職場環境の整備が重要となる。
企業の採用担当者にとって、今回のデータは今後の採用計画を策定するうえでの貴重な指標となるだろう。求人倍率の上昇に伴い、採用競争が激化していることを踏まえ、より積極的な人材確保のための施策が求められる。特に、若年層の人材を確保するためには、柔軟な勤務体系やキャリアパスの明確化、福利厚生の充実といった点が重要になる。
⇒ 詳しくは群馬労働局のWEBサイトへ