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2025年3月8日

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脱炭素行動を数値化!環境省が『デコ活データベース』を公開、約100の行動を分析

「デコ活」の下のプロジェクトである「The POSITIVE ACTION Initiative」において、有志の企業等と連携し、生活者の様々な脱炭素に資する行動のCO₂排出削減効果のデータベース、「デコ活データベース」を作成しました!(環境省)

環境省は2025年2月25日、国民運動「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る活動)の一環として推進するプロジェクト「The POSITIVE ACTION Initiative(PAI)」において、企業などの有志と連携し、生活者の脱炭素行動によるCO₂排出削減効果を可視化するデータベース「デコ活データベース」を作成したことを発表した。このデータベースの構築により、脱炭素に貢献する生活行動をより具体的に数値化し、企業や自治体のサービス設計に役立てることが期待されている。

デコ活は、二酸化炭素(CO₂)を減らす(DE)脱炭素(Decarbonization)と、環境に優しいエコ(Eco)を意味する「デコ」という言葉を組み合わせた造語であり、国民が日々の生活の中で脱炭素に資する行動を実践することを促す目的で始動した取り組みである。環境省は昨年5月からPAIを開始し、CO₂排出削減に資する生活行動の可視化を進めるとともに、それを活用した社会実装の推進、さらにはインセンティブ制度の設計を行うことを目標としている。

今回策定されたデコ活データベースは、PAIの「標準化分科会」によって開発されたものであり、生活者が日々行う様々な脱炭素行動のCO₂削減効果を一定の基準に基づいて算定し、参考値としてまとめたものとなっている。具体的には、カーボンフットプリントガイドラインをはじめとする基準を参照し、脱炭素行動を行った場合と、従来型の行動を維持した場合のCO₂排出量の差分を算出する手法を採用している。今回のデータベースには、約100の脱炭素行動が整理され、それぞれの行動がどの程度のCO₂削減につながるのかを示す参考値がまとめられた。

環境省は、このデータベースを企業や自治体の取り組みに活用してもらうことを想定しており、脱炭素行動を促進するための仕組み作りや、新たなサービスの開発に広く役立ててもらうことを目的としている。例えば、企業が提供するポイントプログラムやキャッシュバック制度と連携し、消費者が脱炭素行動を行うことで特典を受け取れるような仕組みを構築することで、脱炭素行動の普及を加速することができる。また、自治体が行う環境対策の施策にも活用することで、地域単位での脱炭素促進が期待される。

さらに、このデータベースの構築により、国民が自らの生活の中で脱炭素行動を意識しやすくなるだけでなく、企業や自治体がエビデンスに基づいた効果的な施策を講じることが可能となる。例えば、日常的な節電や省エネ機器の使用、公共交通機関の利用促進、リサイクルの強化など、日々の行動がどの程度CO₂削減に寄与するのかを具体的な数値で示すことで、より多くの人々に脱炭素行動の意義を理解してもらうことができる。

環境省は今後、PAIの活動を通じて、企業や自治体との連携をさらに強化し、デコ活データベースの活用促進を進めていく予定である。具体的には、脱炭素行動を促進するためのインセンティブ設計の在り方を検討し、消費者にとって価値のある仕組みを創出することが目標とされている。また、データベースの活用範囲を拡大し、各企業が提供するサービスとの連携を深めることで、より多くの生活領域において脱炭素行動の社会実装を推進する。

また、今後の展開としては、生活者が自らの脱炭素行動を記録し、それを可視化する仕組みの開発や、企業が消費者の行動データを基にサービスの提供方法を最適化する手法など、データを活用した新たな取り組みが検討される。さらに、各企業の持つセンシング技術やAI技術を活用し、より高度な脱炭素行動の促進策を導入することも視野に入れられている。

このデータベースの公開により、国民全体が脱炭素行動に積極的に参加するための環境が整備されるとともに、企業の環境負荷低減への貢献がより明確になることが期待されている。環境省は、デコ活データベースの更新と改良を継続的に行い、社会全体での脱炭素行動の促進を図る方針を示している。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ