2024年8月2日
労務・人事ニュース
自動物流道路の構築で物流の未来を変える 低炭素技術と効率化を推進する新しい物流モードの実現
「自動物流道路のあり方 中間とりまとめ」の公表について ~「危機」を「転機」とする自動物流道路~(国交省)
令和6年7月25日、国土交通省道路局は「自動物流道路のあり方 中間とりまとめ」を公表しました。これにより、物流の危機を転機と捉えた新たな物流形態の構築に向けた取り組みが進められます。
自動物流道路のコンセプトは、人的リソースの制約から解放された小口・多頻度輸送を可能にし、カーボンニュートラルなどの社会変化に対応するものです。この新しい物流プラットフォームは、省スペースでの安定輸送と輸送と保管を統合したバッファリング機能を通じて、物流全体の効率化を図ります。具体的には、需要平準化・標準化の推進、積替えバリアの解消、低炭素技術の導入による環境負荷の最小化などが挙げられます。
この中間とりまとめでは、自動物流道路が真に社会に役立つために関係省庁や事業者、大学との連携が重要であるとされています。引き続き議論が進められ、社会実装に向けた具体的な計画が策定される予定です。
国土交通省は、トラックドライバーに対する時間外労働の上限規制や担い手不足などの物流危機への対応として、自動物流道路の構築を検討しています。第1回から第5回の検討会を経て、今般、物流の全体最適化とモーダルシフトの実現、カーボンニュートラルへの対応を目指した「自動物流道路のあり方 中間とりまとめ」がとりまとめられました。
自動物流道路の構築に向けた具体的な方向性として、次のようなポイントが挙げられます。物流の全体最適化を図るための省人化・無人化や輸送効率向上、物流モード間のシームレスな連結、低炭素技術の導入による環境負荷の最小化などです。これらの取り組みを通じて、物流全体の効率化と持続可能な物流システムの構築を目指します。
また、自動物流道路の社会実装に向けた具体的なルートや規格の設定、必要な技術開発なども進められます。長距離幹線輸送を中心に、物流拠点間や地方部、都市内物流との連携を図ることで、効率的な物流ネットワークの構築が期待されます。
さらに、実験線の設定や技術開発の方向性についても議論が進められます。自動走行システムやAI・IoTを活用したスマートロジスティクスの実現、積替え技術の自動化などが検討されます。これにより、自動物流道路の実現に向けた具体的な手法が確立される見通しです。
自動物流道路の実現に向けては、輸送対象荷物の規格化や道路空間の利活用、拠点配置・機能の最適化なども重要な課題となります。標準化された荷物の効率的な輸送やバッファリング機能の活用を通じて、物流全体の最適化が図られます。
自動物流道路の実現に向けた具体的な取り組みとして、スイスやイギリスの事例が参考にされます。スイスでは地下物流システムの構築が検討されており、イギリスでは西ロンドン地区におけるMagwayシステムの開発が進められています。これらの事例を参考にしながら、自動物流道路の構築に向けた具体的な技術開発や運用手法が検討されます。
自動物流道路の実現により、我が国の物流システムは大きく変革されることが期待されます。物流の省人化・無人化や効率化、環境負荷の低減など、多くの課題が解決されるとともに、持続可能な物流システムの構築が進められます。物流の革新を通じて、我が国の経済成長や国際競争力の強化、地方創生の推進など、幅広い効果が期待されます。
今後、自動物流道路の実現に向けた具体的な取り組みが進められ、社会実装に向けた計画が具体化されることが期待されます。国土交通省は引き続き関係省庁や事業者、大学との連携を強化し、自動物流道路の構築に向けた取り組みを推進していきます。
このように、自動物流道路の実現に向けた取り組みは、我が国の物流システムの革新と持続可能な成長に向けた重要な一歩となります。物流危機を転機と捉えた新たな物流形態の構築に向けて、今後の動向が注目されます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ