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2024年11月19日

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自動運転トラックの技術検証が本格化、新東名で先進的な実証実験を実施

新東名高速道路における自動運転トラックの要素技術検証を開始 ~自動運転トラックの要素技術検証の現場公開についても実施~(国交省)

2024年11月5日、国土交通省道路局と国土技術政策総合研究所、中日本高速道路株式会社は、新東名高速道路の一部区間において自動運転トラックの技術検証を開始しました。対象区間は駿河湾沼津SAから浜松SAまでで、深夜時間帯に自動運転車専用の優先レーンを設定し、公道上での自動運転技術を実証する取り組みです。これは、先進的な車両開発と路側のインフラ整備を組み合わせて実施されるもので、将来的な完全自動運転(レベル4)の実現を目指しています。特に、車両の自動発進や停止といった「自動発着確認」や、情報通信を駆使した「通信確認」などが検証される予定です。

実証実験の開始にあたり、2024年12月4日に報道関係者向けの現場公開が予定されており、実証のプロセスを間近で見られる貴重な機会となります。加えて、この技術検証は段階的に進行し、年末に向けてさまざまな要素技術が順次導入される見込みです。例えば、「先読み情報提供システム」が2024年12月に開始される予定で、工事や事故の情報を先読みして自動運転トラックに伝える技術が開発されています。このシステムでは、路側に設置された機器が工事情報や落下物などを検知し、必要な情報をリアルタイムでトラックに提供します。これにより、車両の円滑な走行が支援され、安全性が向上することが期待されています。

さらに2025年にかけては「合流支援情報提供システム」が導入予定です。このシステムは、高速道路における本線合流を支援するもので、路側機から自動運転トラックに必要な合流情報を提供し、適切なタイミングで安全に本線へ合流できるようにします。合流支援は特に大型車にとって難しい動作であるため、トラックの速度調整や合流タイミングの最適化が図られています。これにより、急なブレーキや速度調整の必要が減少し、交通の円滑化にも寄与すると見込まれます。その他、車両とインフラの双方向通信(V2I通信)により、リアルタイムな情報がやり取りされ、緊急事態への即時対応も可能になると期待されています。

今回の実証実験では、自動運転トラックの優先レーンが深夜の22時から5時まで設定される予定で、曜日や祝日などによって調整が行われることもあります。深夜時間帯の利用を選んだ背景には、日中の交通量や事故リスクを最小限に抑えつつ、安全かつ効率的に技術検証を行う意図が含まれています。また、運転手が乗車している状況から無人の完全自動運転に至るまで、段階的な技術進化が見込まれ、実際の導入に向けたハードルが一つ一つクリアされていきます。

このプロジェクトの鍵を握るのが「先読み情報提供」と「合流支援」技術です。前者の「先読み情報提供システム」は、主に工事や事故、落下物といった道路上の異常情報をリアルタイムで車両に伝え、事前の速度調整や車線変更を促すものです。自動運転車が情報を受け取ることで、適切な判断と操作が可能になり、他の車両や道路利用者へのリスク軽減が図られます。後者の「合流支援情報提供システム」では、本線合流の際に他の車両とのスムーズな調整を行い、車両同士の衝突リスクを最小限に抑える役割を果たします。こうした技術により、今後自動運転トラックが多くの交通環境に適応し、ドライバーが不要な完全自動化へと近づくことが期待されます。

また、こうした実証実験の進展に伴い、NEXCO中日本をはじめとするインフラ企業は、SAやPAといった休憩エリアにも技術を適用する方針を固めており、将来的には自動運転車の発着確認をより簡便に行える環境が整備される予定です。特に、駿河湾沼津SAや浜松SAといった主要なエリアでは、自動運転トラックが停車・出発する駐車マスの整備も進行しており、インフラの最適化が図られています。こうした取り組みが本格化することで、高速道路上での自動運転トラックの利便性と安全性が向上し、将来的には高速道路全体での導入も視野に入っているとされています。

自動運転トラックの導入は、物流業界にとっても大きなインパクトをもたらすと考えられます。特に、人手不足が深刻化するトラック業界にとって、自動運転技術は長距離運転の負担軽減や効率化に直結するからです。自動運転トラックの商業化が進めば、輸送コストの削減や効率的な配送が可能となり、企業間の物流競争力も向上することが期待されています。また、労働環境の改善にもつながり、トラック運転手の過酷な勤務形態が改善される見通しです。こうした変革は、社会全体にポジティブな影響をもたらし、持続可能な物流システムの確立に寄与するものと考えられています。

自動運転技術の進化には、インフラ面でのサポートも不可欠です。今回の実証実験を通じて、高速道路上の標識や路側機、遠隔監視システムなどの整備が進むことで、他の車両や利用者への情報提供がより精緻になります。これにより、予期せぬ事故やトラブルに対する対応が迅速化され、交通の安全性が向上します。国土交通省と関係機関は、こうしたインフラ整備を通じて将来的な技術の標準化を目指し、より多くの道路や高速道路に自動運転対応インフラが導入されることを目指しています。加えて、自動運転の導入が進むことで、環境負荷の軽減も期待されます。効率的な運転とエネルギー消費の削減により、二酸化炭素の排出量が減少し、持続可能な社会の実現に一歩近づくことでしょう。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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