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2024年10月3日

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若年層の正社員採用率33.4%!業種別・規模別で見る最新の採用動向

令和5年若年者雇用実態調査の概況 事業所調査 若年労働者の採用状況(厚労省)

令和5年度の若年層の採用動向に関する調査では、全事業所のうち33.4%が正社員として若年労働者を採用していることが明らかになりました。一方、正社員以外の労働者として採用された若年労働者がいる事業所は19.8%にとどまっています。これらの割合は業種や事業規模によって大きく異なり、金融業や保険業では56.2%、情報通信業では53.1%と、比較的多くの企業が若年正社員を採用していることがわかります。反対に、宿泊業や飲食サービス業においては、正社員としての採用割合が25.2%と低いものの、正社員以外の労働者としては34.1%が採用されていることが特徴的です。

また、事業所の規模が大きくなるほど若年層の採用が活発になる傾向が見られます。特に、従業員数1000人以上の大企業では96.3%が若年層を正社員として採用しており、中小企業と比較して非常に高い割合です。これに対して、従業員数が5人から29人の小規模事業所では、27.9%しか正社員の若年労働者を採用していません。こうした結果から、規模の大きな企業ほど若年層の採用に積極的であることが伺えます。

採用にあたって企業が重視する点についても興味深い結果が出ています。若年正社員の採用選考では、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が最も重視されており、新規学卒者では79.3%、中途採用者では72.7%の企業がこの点を重要視しています。次いで、「コミュニケーション能力」が新規学卒者で74.8%、中途採用者で66.9%と高く評価されています。また、「マナー・社会常識」も新規学卒者で58.6%、中途採用者で58.1%と、若年層に求められる基本的なビジネスマナーや社会常識が採用選考の際に重要視されていることがわかります。

さらに、中途採用者については、「業務に役立つ職業経験・訓練経験」が42.3%の企業で重視されており、新規学卒者の14.7%と比べて大きな差があります。これにより、中途採用者に対しては即戦力としての期待が高いことが示されています。その他、「柔軟な発想」や「業務に役立つ専門知識や技能(資格や免許、語学力)」も、特に中途採用者に対して期待される能力として挙げられています。

一方で、若年労働者が定着するためには、採用だけでなく、職場環境の整備が重要です。調査によると、多くの企業が採用した若年労働者の定着を図るため、研修制度やメンタリングプログラムなどの人材育成策を導入しています。特に新規学卒者に対しては、職場での適応能力を高めるための支援が求められており、キャリアパスの明確化やオンボーディングプログラムの充実が鍵となります。企業は、若年労働者が安心して長期間働ける環境を提供することで、採用コストの削減や組織の安定化を図ることができます。

一方で、中小企業においては、若年労働者の採用が難しい状況が続いています。これには、給与水準や福利厚生の面で大企業に劣ることや、認知度の低さが要因とされています。そのため、中小企業は独自の魅力を発信し、若年層にアピールする必要があります。例えば、働き方の柔軟性や地域貢献への取り組み、職場のアットホームな雰囲気などが、中小企業の強みとして評価されることが期待されます。

また、若年層の採用活動においては、SNSやオンライン採用プラットフォームを活用したリクルーティングが重要となっています。デジタルネイティブ世代である若年層は、従来の採用手法よりも、インターネットやスマートフォンを活用した情報収集を行っており、企業はこのトレンドに対応する必要があります。企業の採用ページやSNSでの発信内容を充実させることで、若年層に対する企業の魅力を効果的に伝えることができるでしょう。

最後に、政府や自治体が提供する若年層雇用支援制度の活用も、企業にとって有効な手段となります。特に中小企業では、こうした助成金や補助金を利用することで、採用や人材育成にかかるコストを軽減することができます。若年層の採用を積極的に行うことで、将来的な労働力不足に対応するとともに、企業の成長を促進することが可能です。今後も、若年層の採用や定着に向けた取り組みが一層求められていくでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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